Arika
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inclusion – Arika
独り凌ぐ君 胸を打つ欠片 融かした熱ひとたび溢れて 傾いた綺羅の秤(きらのはかり)に 笑う 言葉も魔法すらうつろいでは 愛し顔も霞(かすみ)失せそれでもこの世界 繰り返し満ちてここにいれば 出会えるなら 見上げた(ああ星の海)その瞳に(ああ原始から終わりもずっと)映したい たとえばまばゆい月灯 掴めたなら 笑んで 破滅でも 美しいはずだ 那由多舞う生命《生生(しょうじょう)転じて逅(あい)漂えば》…
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暮暮 – Arika
洒落者気取り 遊んで掃いて捨てる依頼 踏んだ地雷泣いていた 道理脳裏全部 手放しでいいって酔いどれ 鴉が けしかける 右に そぞろ ならえ後ろ 踊り 恐れされるがまま左帰る前に 乖離 ああ 浮かんだ意識を 氷に融かして もうひとつ さよならって言い合って芯を食って愛せよただいい加減な配合でやってやったって呑み下すの また粋がるのは 懲りてきたし相手次第は 身を焼くから溢した夜 吸い取るのは 知らな…
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倶利伽羅 – Arika
物覚えが悪いから 痛みとともに色をのせた刺し付きどんなに辛いことも どんなに忘れたいことももう消えない場所で花開いている ただ心のまま ただ腫れが引いた喉元過ぎればまた 増えてく大体ここに来ては だんだん沈んでいく知らないうちに 深く沈む 乱れた過去を整えて描いたものよ 蝶よ花よの記憶歪んだ未来携えてただ心のまま ただ進みたいのに墨に 鬼に 蛇に 絡め取られている 逃げ水を避(さ)けたらもう 独り…
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アンリアル – Arika
ナイトレイド 異形の公僕正義で愚直な傷を洗う退路に 墜ちる虹彩瘴気でクラック飲み込まれて 混ざってく 視界よぎった 何度だって救い出せる澄んだ冥土は鮮やかな赤何度だって痛み覚えて コール・タール 沈む城塞因果律こんな等級で最後の望みいくばくか10:0 火撃 贖い 晴らす夜に 進化の功罪 浸すトリソミーアンダーグラウンド幼くていい 賭ける 僕の刃で 何度だって救われたから胡乱な浄土は愚かしく赤何度だ…
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blan_ – Arika
幾星霜を編む雲雀 閉じ込めたその匣の中産まれまた消えゆくこと 許されない祝福を 集いまたはぐれて ただなすがまま人は流る運命(さだめ)と廻った環(めぐったわ)の中で永らう君がどこへ往くとしても 青の間(あわい)越えて 羅針の示す道進む先へ 君へ 誘うは 愛を重ねた記憶いずれ 違えた枝の先 たがいに触れた時 花開く蕾に再び 呪い祈る 安寧 月灯導かれ 歩み続ける彼の心産まれまた消えゆくこと 呑み込ん…
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からたち – Arika
寝息をたて 静かに増殖した 目眩の種大切に 綴じる 暗がりの中でさえ いつだって 生きること救うのは 麻酔の効いてた 柔い夢で追い詰められても 白紙に戻るから まどろみが掻き抱く死相 おやすみ 解体され 還る からだ端切れ つぎはぎ孵す 来る日もからたちの棘なぞる 思惑に 怯えながら絞り金 毎夜半(よわ)違う声が 誘ううつつからの 逃避行 固結びの頭蓋 ほぐす途中も 見せようか痣 行き届いた愚痴 …
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遺愛 – Arika
ひたひた 近付いてた柔らかな予感今日まで歩けていたの? 世界は消えないただわたしを消すだけ貴方はそこで止まってて 途切れた息の先に何もないことまどろみながら 永遠を抱く 愛すなら看取って ただ今日からは泣かないからここにひとつだけあるの奪わせないわたしの軌跡護るためにここに置いていこう ここまで着せられてた都合のいい服を脱ぎ捨てて白を纏って 認めて欲しい心から愛憎なんかじゃなく触れて 眠って 笑う…
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Daydream – Arika
光に誘われて連なる人波はすべてありきたりに染まる(一様に流れる時の舟筏は巡り巡って回り回る)漂い身を任せれば世は事も無しか (望んだ)誰も羨まない孤独な波路へ(想像した)暗く冷たく時化た理想 だけど焦がれ 重なって色づいて華やぐような陽に背を向けて抜け出して超える 躊躇いの境目を光に晒そう ありのままを 灯火に導かれて進む正しさを知らないから右に倣うの(焦燥はやがて願いに変わり)一つだけの 何かを…
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dinner – Arika
おどけて見せた 悟られないように取り込んだものはどこにあるのかでも詰めているね 肉の香(か) 認められる為の誕生 確かにそこにある 授かったはずで爪に溜まる それでも 洗えば流せば どうということは 齧(かじ)り舐(ねぶ)り貪(むさぼ)り繰り返す アルカロイドもごたまぜで朝顔に吐き出せば ほら元通り袋ならあるから ねぇ隙間さえ 余すことなく腸詰(ちょうづめ)にまだ壊れない また治すから 腹からを …
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暁光 – Arika
苦い夢から覚めて 窓を開けて夜を逃がす昇る陽が叩く身体を シーツになする 誰も届かない部屋で 誰かに届くよううたう今際の顔で笑えばあなたを救える? から から 混ざり合えば ほら ただ 流刑 選んで 往く先には 何があるの 孤独だけ苛まれる 幾重の幸 転がり落ちる前に 今はただ 歪な歌 何もないの 言葉さえ嘘をついてと レンズを向けてよ焼かれてく 崩れてく かたち (呼吸) 鋭な声の名残 掻きむし…