omeme tenten
ユーモラスディストピア – omeme tenten
亡くした胸の高鳴りの一部を
取り返すには
もう一度叶わぬと知った願いと
向き合わなきゃいけない
死なずに済んでも
ここが地獄でなくても
慰めにはならない
生き続けるだけ
天国でもないだけ
ユーモラスディストピア
お願い、いなくならないでね
真っ赤な憂いを愛した
あいつはくるりと背を向けて
そのまま帰ってこなかった
壊れた時代の片隅で
出会ってしまった迷子たち
もらったナイフはいつまでも
しまわずとっておくから
あの時
「お前の顔などもう二度と見たくはない」
なんてこと、
言わなきゃよかったな
こんな気持ちになるのなら
もう少し優しくすればよかった
落ちずに済んでも
ここが終わりでなくても
救われるわけじゃない
崖っぷちではね
あいつの声が聞こえるんだ
「こっちにくるな」と
埃被ったスクランブルと
守る人のいない標識
ここでもかつて、星が見えたの
街中を照らす様な星が
お願い、いなくならないでね
真っ赤な憂いが問いかける
私は何にも言えなくて
そのまま抱きしめてみたんだ
壊れた時代の片隅で
出会ってしまった迷子たち
もらったナイフはいつまでも
しまわずとっておくから
あなたを待っているから