“予め最初から出来合いのシナリオだった”
そう思えるには 惹かれ過ぎたんだ
何度も抱き合った うだるような猛暑日の午後
あの日をピークに 気温(ねつ)は冷めたのに
君を送る 帰り道 はしゃぎ疲れて
眠り込む 横顔に 夢の終わりが滲んでる
泳ぎ着いた その場所に君はいなくて
何もなかったように 季節は移り変わって
戻ることも 進むことも選べぬ恋ならば
このまま 秘め事のまま 夏に隠れていたい
いつか剥がれゆく 日に焼けた肌のように
この肉眼(め)に見える痛みならいい
耳元に はり付いた 潮騒の詩(うた)は
太陽に 翻弄(あそ)ばれた 哀れな男の記憶
きっと僕ら 互いの期限(リミット)の中で
持て余した欲望(おもい)を 埋め合えればよかった
なのに誰も知らない 君を知りたいと願ってしまった
「何も始まっちゃいないだろう」 言い聞かせるけれど…
泳ぎ着いた 場所にもう僕らはいない
誰もいなかったように 静まり返る海辺
戻ることも 進むことも選べぬ恋ならば
このまま 秘め事のまま 夏に隠れていたい
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