シギ

黒い雨 – シギ

涙を蒸発させながら歩く
思想の失くした人間が赤信号を渡って
生物に変わる
日々は淡々と流れる白黒の街

言葉は武器か盾に変わり
母を探す子供が赤信号を渡って
姿を消すんだ

黒い雨 打ち付けた感情
泣きたいほど眩しい空
見慣れた嘘 繰り返す日々 うずく傷跡
おいてゆかないで

笑いながら不安な人は‘抱いて 抱いて’
眠れなくなってゆく

さよなら 言えずに時間が過ぎる
大人にはなれないよ ひとり膝を抱えて
泣き出す 空見る

黒い雨はきっと僕のせいだ
なんてことないような顔をして
本当のことを言わずに何を
僕は言いたかったんだろう

君だって本当は
笑いながら不安な気持ち
‘知らない 知らない 知らないよそんなことは!’

黒い雨 打ち付けた感情
泣きたいほど眩しい空
見慣れた嘘 繰り返す日々 うずく傷跡
おいてゆかないで

いつか終わると知りながら僕は
赤信号渡れないのさ
黒い雨

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