Rin’

  • 千鳥足輪舞曲 – Rin

    騒がしい光は不思議な魅力を放っている怒鳴り声叫び声感情の振れ幅は大きくなっていくくだらない常識なんて捨て去って明日から逃げ出したギラギラした町の景色は熱も色も全てがあった 夜に狂っちまえよ、舞って踊ってバカになって後戻りの聞かない失敗なんて恐るるに足らない今の愉悦はここだけで酔って歌ってまっとうを忘れて今は楽しんで、空が晴れるまで歌ってたいだけ 電車に揺られた憂さたちは大きくなっていくくだらない等…

  • 不理解 – Rin

    痛いと嘆く子供がうかべる涙辛いと嘆く女が浮かべる笑みに幾分の違いがあるというのだろう理解できない感情の渦巻きは直ぐに忘れるというのに真っ黒な瞳で愛を語る方が怖いよ 夜が泣いているような雨の中に冷たくなった生き物の真芯がひとつ言葉は言葉でしかなく理解に及ばないかけた何かがカタンと音を立てた痛むはずのものもなくて、人間のような感情の起伏は絵画のように 怖いと叫んで浮かべる嫌悪寂しいとつぶやく人間の真芯…

  • 夏の雨 – Rin

    地面にしみる砂嵐の音光の反射がきれいで目に染みる確かにここにいるんだな優しい温度で降る棘がつんと刺す花の季節も終わり滴り落ちる名残惜しさを乗せて 雨が雨が、降るたび思う歩かなければこのまま止まないのではないか髪を髪を、伝って零れる雨粒を眺めていれば優しさを落とさずに済むはず申し訳なさに傘を差した 晴れていた空は鈍色になって影の切れ目ばかり気になって糸雨に降られた風も吹いて肌寒い心を置いてすすむほど…

  • 悴む愛 – Rin

    ジリジリと肌をこがす太陽が1つそれなのに青ざめた顔の生き物が1つ神経毒にやられてしまったせいで指のひとつも動けないらしい時計のように緻密集まった電気信号が土切れ途切れになっていく瞳孔は開け締めして線が集まって焦げた点は自分勝手に涙を浮かべていた どうだっていいさ本当に信じていたんだ本当はついぞ傷ついた心では笑顔も許せない冷ややかな腕に抱かれて醜い生き物は幸福をおって真っ赤な花は幽霊になって抜け出せ…

  • 転回禁止 – Rin

    落とした瞼の風貌でこぼした嫌いは現状で背が曲がる光が点滅する理想の違いは劣等で足跡は同じものをもっていつまでも受け入れられないよ 過不足のないただの人の形で生まれた命を悟った気がして飾らない器をまた満たして止まれないから もう戻れない、この命を刻んでつかめないまた弱さを嫌ってとぼけた言葉の背に潜んでいてどんな悪夢もその夜で、怯えたとも笑ってくだらないほどにただ飛ばして曲がれない僕の真心を掴んで痛み…

  • 月を落とす – Rin

    黒に青を混ぜたような空数多の光の中ひときは輝いているそのどれもに手が届かず見上げているだけ空は飛べないからあなたの元へは行けないだから言葉巧みに、近づけてだから伸びるその手の、上澄みを撫でるように まるで街頭に背を向けた僕は君の手を取れないもっとここまでもっとそこまでどこにいるかもわからなくなって空に灯篭が消えても落ちてくるのを待っているんだ 朝に影を落としたような空薄明かりの中光を吸い込んだ足元…

  • 無気力症候群 – Rin

    これは悲劇じゃない生ぬるい空間に入り込む僕は大丈夫だよ昼も夜も項垂れてるけどしおれた花のように動けないでいる焦燥に啄まれた皮膚が伸びきって地面に飲まれるんだ 甘く、緩やかに、壊れた世界が呪いのように染み出していてるしじまに伸びた影がゴミのようにころがって逃げていく眠りこけた僕の熱情はなおも日々をつなぐ日常に打ちひしがれていく 朝も夜も壊れた生活にすがって飽き飽きした生活に囚われて凡庸な時間に流され…

  • 水泡 – Rin

    みんな死ぬんだいずれ呼吸が泊まって明確な死の面影がすぐそこまで迫っている言葉にならない感覚を背筋がはっている残るものは何もなく失うだけの日々を繰り返している 全ては無駄になっていく指先が震えるような感動も手首を濡らす孤独も時の砂粒に心は消えて全て忘れ去られていく思い出が心を蝕んだって頬にこぼれる愛しさも全ての思いは世界に回る 昨日失った今日で傷だらけの体を抱えて始まったものがいつか終わってその度泣…

  • 花と雪 – Rin

    春にしみる水溜りをじっと眺めてみる反射する花びらに動脈を締め付けられるぐちゃぐちゃの木の葉が薫風になびいて僕の横をとおりすぎた 僕は花びらに撒かれては溶けてしまった一片の忘れ雪ゆるりゆるりと時間をかけてた一雫が今足元に落ちた僕を花弁が忘れても満たされないよそれまでの思い出がつぼみになれない僕は冬に取り残される 瞳にしみる陽だまりに気付かないふりをした薄く埃を被った外套はあの頃よりも綺麗に見える 暖…

  • 透明な心 – Rin

    青空が霞足早に流れる水蒸気の塊が線を書いている小さな体躯の中では青々と輝いていた人の心に当てられ、削ぎ落とされた色で世界ができている触れられなかった白と塗りつぶされた黒のみが混在している 笑った彼の瞳はだんだんと細って繊細で綺麗な線を綴った今を知った額の汗は光を食むそうして白く色づいた終幕は今始まったところだと 騒音が鼓膜に、光と葉網膜につまらない時間を生として風が僕を通り過ぎる、興味などないと言…

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