miolly

五月晴れ – miolly

日が長くなったな
汗が滲んで冷めた額
蒸した部屋の外でひとり
中に戻る気も起きなくて
けど君がいないんじゃな
乾かないんだな
遠くに君を見る
ひとりであの青をひたすら覗く君を
春の終わり風の中二人で
ただじっと眺めた空
あまりに澄んだ苦しい青だから
言葉の一つもなくて
杪春に君と詠めた上の空

日は午後にかける
窓を強く閉めて ガラス越し
氷の音が微かに響く
いっそこの体ごと
けど君がいないんじゃな
温いままでいいかな
俯く 葉の香り
このまま腕も足も目も溶けてしまえ
春が終わるまでの花揺らいで
ひとり上向いて叫んでた
果ての色も見せない青だから
何も考えなくていいや
咲く花に重ねた僕等空任せ

風が止む 息を呑む
目を開く 空に立つ
雲を割く 花が散る
視線の先 君がいる

あの花は青を覗いた枯れていく
春の端風待つ君は
春の終わり風の中二人で
じっと眺めた空
あまりに澄んだ苦しい青だから
言葉の一つもなくて
杪春に君と詠めた
春の端風待つ君は五月晴れ

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