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花束に栞 – kittone

ずっと眺めていた写真の中
窓辺に小さく咲いたそれは
私がいないあの部屋で
どんな散り方だったんだろう

今更何とも思ってないけど
何か言いたげな顔が少しだけ可笑しくて
私はちゃんとうまく笑えてたかな
今となっては知る術もないけれど

何回だって季節は変わってしまうけど
あの日があの日々が 今もこの胸にある
最終章を残した小説を閉じるように
いつかの花束に栞をまだ挟んだままでいる

見慣れない街並み 目を閉じては
浮かべる穏やかな序章には
必ず君がいることは
誰も知らないまま、それでいい

ずっと変わらずにいたいだなんて
馬鹿げたこと 思いはしないけど
映画やドラマのようには美しく結ばれない
結末をわざわざ開いて見たくはないから

何回だって季節は変わってしまうけど
あの日があの日々が 今もこの胸にある
最終章を残した小説を閉じるように
いつかの花束は胸の奥に閉じたまま

何回だって季節を越えても変われない
私が私だけが まだあの日のままで
そんなこともあったよなあ、なんて笑って
読み返すその日まで この心に
栞をまだ挟んだままでいるんだ

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