庭のまん中でまるく小さくなった犬の
そのまんままぁるいあくびがひとつふたつみっつ
そしてぼくの部屋の窓には真昼の月
半透明の月はざわめきの数だけ空にうかぶ
ひどい汗をかいたままで
ぼくはぼんやりしてる
だけど頭の中ではしゃべってる
ほんとう きみなんかよりもずうっとしゃべっている
ぬるい真昼の静けさなんて
こんなふうにできてる
そこに砂ぼこりだ
ふいてもふいても砂ぼこり
もうぜんぶやめちゃって指先でなぞりはじめるよ
グルグル部屋中をめぐるなぞのなぞり旅
そうして気づくんだ君はあの逃げ水の中だってことを
ひどい汗をかいたままで
ぼくはぼんやりしてる
だけど頭の中ではしゃべってる
ほんとう きみなんかよりもずうっとしゃべっている
ぬるい真昼の静けさなんて
こんなふうにできてるんでしょうからね
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