浮いた浮いたと 浜町河岸に
浮かれ柳の はずかしや
人目忍んで 小舟を出せば
すねた夜風が 邪魔をする
「巳之さん堪忍して下さい 騙すつもりじゃなかったけど
どうしてもあの人と別れられないこのお梅の気持
騙したんじゃない 騙したんじゃない…
ア 巳之さんお前さん何をするの
危い! 危い! 堪忍して か……
ア 巳之さん巳之さん
あたしは大変なことをしてしまった。」
怨みますまい この世の事は
仕掛け花火に 似た命
燃えて散る間に 舞台が変わる
まして女は なおさらに
意地も人情も 浮世にゃ勝てぬ
みんな儚い 水の泡沫
泣いちゃならぬと 言いつつ泣いて
月にくずれる 影法師
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長篇歌謡浪曲 十三夜 – 天津羽衣 河岸の柳の ゆきずりにふと見合せる 顔と顔立ち止まりなつかしいやら 嬉しやら青い月夜の 十三夜「下らない事を云って何時までめそめそ泣いているんだいね、お雪、幾ら
長篇歌謡浪曲 九段の母 – 天津羽衣 上野駅から 九段まで勝手知らない じれったさ人とくるまに 追いかけられて伜来たぞや 逢いに来た「ほんに十年振りじゃのお。淋しかったろのう、堪忍して呉れや、女手一
おけさ人生 – 天津羽衣 ハ、アリャアリャアリャサまいどね まいど皆様 ご存知のおけさ おけさで まいります「ハ、 アリャサ」佐渡は四十九里 波の上とかく恋路と 世の中は思うようには ゆ
涙の九段坂 – 天津羽衣 鳥居くぐれば 思わず知らずあつい涙が こみあげるああ お父さん はるばると逢いに来ました 逢いに来ました九段坂「お父さん。あなたが戦死なさったのは、やけつくよう
五ッ木くずし – 天津羽衣 赤い椿の花ひとつ咲いて哀しい 五ッ木村おどろき盆ぎり盆ぎり 盆から先きゃおらんと遠いふる里 恋しい人も盆が早よ来りゃ盆が早よ来りゃ 早よ逢える夜なべ仕事の貧しさ
母と子の窓 – 天津羽衣 泣いて歩んだ人生を暗い侘しい並木路風も冷たく空見れば煌(きら)めく星よあゝ母と子の窓負けちゃいけない手を組んで行けば開ける茨ら路夢と希望の丘越えりゃ僕等の光りあ
山川慕情 – 天津羽衣 巻雲かかる 開聞(かいもん)の夕べのすそ野に 野やきの煙あれは砂鉄か 釣舟か今日もくれゆく 山肌にキジの鳴く声 山川慕情乙女の姿 さつま富士いのちもやすか 桜島
お吉ざんげ – 天津羽衣 国のためだと 騙されましたこんなお吉に なりました銀鋲緞子(ぎんびょうどんす)の 飾り駕籠死ぬ気で通った 玉泉寺(ぎょくせんじ)惨(みじ)めな 惨めな女に なり
稗つきくずし – 天津羽衣 青い月夜に いま鳴る鈴はあれは恋しい 大八様か人目忍んで 表に出れば庭の山椒にゃ ヨーホイ風ばかり 風ばかりヨ馬塞棒(ませんぼう)ならして 嘶(いななく)く黒馬
恋の田原坂 – 天津羽衣 雨にぬれても 逢いたい思いなんで指さす 噂する今宵田原の 恋しぐれ情あるなら この肩に着せておくれよ かくれみの雨は降る降る人馬は濡れる越すに越されぬ田原坂。人
黒船哀歌 – 天津羽衣 赤い椿の 花かんざしは下田芸者の 心中立てせめても一度 鶴松さんの膝で泣きたや さめざめとああ 恋の涙が 涸れるまで沖の黒船 三本マストはぐれ千鳥が 啼いて飛ぶ
お吉物語 – 天津羽衣 泣いて昔が 返るならなんで愚痴など言うものか花のいのちは 一度だけよしておくれよ気休めはなにもかもお仕舞いなんだでもさ わたしにゃ 判ったのさどんなに男を憎んだ
壺坂小唄 – 天津羽衣 恋のいろはを 手さぐりに書いておしえて 三年(みとせ)越し杖になりたや 心のつえに三つ違いの えーえまあ 兄(あに)さんの「あんまりです。あんまりです。沢市っあ