奇麗な感傷が
壊れた海に風を呼んでいる
静かに舞い落ちる
綿毛のように夜を埋めて行く
琥珀の波 錆びた小舟は
月の引力擦り抜けて行く
愛を囁く腕は白く
水の表に輝いていた
甘く canto lamento
眩しい夜の波紋の中で
繰り返す恋のうた
obbligato
寄り添いながら二つの声は
一つになれないまま
額に刻まれた印のように
細い手を取った
無数の感情が
音符のように胸を埋めて行く
生まれる前に消えて行くうた
閉じた瞼を慰めるもの
私のことを忘れずにいて
声もかたちも失くした後も
canto lamento
真珠のような吐息連ねた
満ち潮の首飾り
obbligato
寄せて離れて二人の声は
帰らぬ波のように
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冷たい涙をたたえて時が満ちる頃貴方は光を探して闇を開くだろう茜の歌声その胸を染めて行く永遠に焦がれて散り急ぐ旋律(しらべ)のように輝く空の静寂(しじま)には私の
見果てぬ夜明けのimage(イマージュ)二人の胸にソプラノを響かせてやがて歓びの空待ち受けるchorusまるで愛のように光るかなしみの届かない風の吹く場所がある
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雪は白く大地を染めて空へ続く道を造る結んだ手がまぼろしのようで遠く見える背中に触れた箱の中の時間のような音符の無い ritardando明日溶ける夢の中だから永
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もう一度だけさよならを聞かせてよ夜はすぐ終わるから冬の雨に震えてた街角に何を置いて来たのだろう好きな本の最後の一行にこみあげる愛しさを誰に語る事もなく閉じ込めて
夢を語りすぎて命が軽くなりそうで愛の教科書には何にも書いてなさそうで瞳をこらす確かな物は何処胸を焦がす何かを探して秘密抱えたなら少しは重くなれそうで貴方の瞳には
伝えたいことと違う色にどうしてことのは染まるのかな秋風がそっと散らす絵の具にはらはらと濡れた紅い夕暮れほんとうはもう少しやわらかい気持ちだった愛しさは我が侭で貴
ほころびて行けばあとは散るまで咲くだけの恋になりそうな堅い莟が揺れている白く白く愛したい澱みの無い冷たい水だけを飲み生まれた花のように貴方の色に染まらない心だけ
いつのまにか答えの無い道に踏み込んだのね濡れた睫毛触れ合うまでもうあと僅かなの二人で静かに時を重ねたいそんな願い空しくたちまちココロ浮かれ騒ぎただ夢見心地で儚い
振り向いた風の欄干に残された誰かの面影追いついた筈の曲がり角いつもその先で笑ってる見た事の無い記憶が足首の骨の中に痛まない刺のようにちりちりと鈴を鳴らすneve
秋の雫が貴方の頬に憂いを落とし見えない月に願いをかけた愛しさが溶けるようにきっと夢の中で貴方の微笑みに会えるそっとキスをしてよ消え行く九月の為に赤い小指のお話を
いつからこの場所で泣いていたのか忘れてしまって涙の理由さえ枯れてしまうまで一人で隠れていたいの風が呼ぶけど応えはなくて空は哀しく一人きり愛したことも砂の脆さに消
雨に打たれた街の空には待ちわびていた夜明け夢より少し小さなものを鞄に詰め込んで今始まるよ自分の歩幅でパレード小さな靴音届くといいな泣いて笑って君に昨日失くした大
満月の夜を待ちわびていた鏡でダンスのお稽古してた黄色いドレスを刺繍で飾り白い花摘んで髪を束ねて月のフェスタ ポルカの輪廻るよ 閉じて繰り返す貴方に届くまで得意な
静かに瞬く星たちの散り逝く空届かぬ祈りが天と地を満たしてた細い枝に光るのは咲き忘れた未来まだ名残惜しそうに蕾を落としたほら、もう時は満ちて実る黄金の果実その手で
あと一度だけ奇跡は起こるだろう優しい声で描く歪んだ未来もう誰も泣かない世界の為に紅く汚された空の何処にも届かず消える叫びと祈り慰めは捨てて行ける奇麗な月の光が始
夢を叶えて一人で探してた星の同じ光を君が見つめているだけでいつもの夜が闇に染まる頃走り出せるはず一人じゃない心たちのように明け行く空は誰かが信じた明日を裏切り続
木いちごの茂みに恋心甘く実って唇染めながらただ愛だけ囀ったどうかこの夏が光に満ち終わらぬように暗い嵐の日々を思い出さぬように永遠を叶えて世界をここに閉じ込めては
硝子の花束を抱えきれず僕らは立ち竦む何か一つここに捨てて行こう君はそっと呟く憧れの樹の梢に残る結び目を解きたい手の中にある歌も春のいのちの冷たさも静かな砂の上で