おいそこのお前
俺のこと掴んでいくんじゃねえよ
似てるけど違うだろよく見ると
俺は足にゴム履いてんだ
地に足つけて生きてんだ
イデオロギーをぶつけて歩くな
あの子は俺じゃないと駄目なんだ
どうしたもんか考え込んでいたら
そこへ突然 強い風が吹き抜けて
空飛んだ くるくる踊る様に回りながら
風に乗り必ず戻るぜ ご主人様
突然 降り出した雨に
焦るように買って貰った一本の傘
母さんが買ってくれた最後のもの
だから壊れぬ様に風の強い日には
すぼめながら使ってた
サビも増え古くなった
傘を買い替えるいい機会でしょう?
絞るように吐き出した強がりが雨に濡れた時
そこへ突然 強い風が吹き抜けて
空飛んだ くるくる踊る様に回りながら
風に乗りまるであなたの元に帰ってきた様に
空飛んだ
風に乗り
折れてるけど けれど代わりなんて見つからないの
曲がっててもいいの これが私の傘だから
壊れてるけど けれど代わりなんてもう見つからないの
もう二度と無くしてしまわぬように
最近は家から出られねえ
傘としてはもうあの子の役には立てねえかも
それでも大切にしてくれてんのはすごく分かるから
悪くねぇな
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