鏡五郎

忠臣蔵・堀部安兵衛 – 鏡五郎

「ウィ…ああ 酔うた 酔うた。 これは叔父上から
のお手紙か。何々 本十一日巳之(みの)下刻(げこく) 高田の
馬場にて 村上庄左衛門と果し合い 何とぞご
助勢(じょせい)を…ええっ。婆さん 今、何時(なんどき)だぁ!」

剣で遅れは 取らないが
酒で不覚を 取ろうとは
叔父の助太刀 安兵衛が
呑むは 呑むは酔覚(よいざ)め 柄杓水(ひしゃくみず)
高田の馬場へ ひた走り

通りすがりの 娘御に
借りた扱帯(しごき)を たすき掛け
見事叔父御の 仇を討つ
赤い扱帯(しごき)が 縁結び
口説(くど)き落とされ 赤穂藩
堀部の家の 婿となり
馬回(うままわ)り役で 二百石

「親父殿 たとえ新参(しんざん)者だとて碌(ろく)を受ければ赤穂
藩士。 松の廊下での殿のご無念 晴らすの
ならば連判状の親父殿のその横に 安兵衛にも
押させてくだされ 血判(けっぱん)を。」

艱難辛苦(かんなんしんく)の 暮れ師走(しわす)
やっと討入り 吉良屋敷
火事装束(かじしょうぞく)の 袖口(そでぐち)に
堀部 堀部安兵衛 武庸(たけつね)と
綴った晒(さらし)が 合印(あいじるし)

鎖帷子(くさりかたびら) 黒小袖
愛刀朱鞘(しゅざや)の 大太刀(おおたち)を
差した腰には 鎖帯(くさりおび)
兜(かぶと)頭巾(ずきん)の その中にゃ
女房お幸(こう)の 黒髪を
入れた命の 守り札
齢(よわい)七十 七才の
舅(しゅうと)弥兵衛の 後を追い
雪を踏みしめ 安兵衛が
さっ さっ さっ さっささささと
目指すは本所 松坂町

「呑んべぇ安兵衛 喧嘩安の安兵衛が吉良殿
相手の最後の大喧嘩。 邪魔立てする者あらば
容赦はせぬ。 いざいざ参る。」

悲願(ひがん)一年 十ヶ月
仇(あだ)は吉良殿 ただひとり
山と川との 合言葉
声を 声を掛け合い 安兵衛が
振うは朱鞘(しゅざや)の 長刀(なががたな)

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