藤純子

女渡世人 – 藤純子

いのちひとつを ふたつに分けて
義理も立てたい 情も欲しい
みれん心を 胸三寸の
なかでバッサリ きりすてて
スジを通せば 身も細る
花の一匹 渡世人

風に吹かれて 重なり合った
落葉みたいな あなたとわたし
どこで死んでも 悔やみはせぬが
せめて三途の 河までは
笠をならべて 歩きたい
花の一匹 渡世人

ひとつ狂えば 次から次ヘ
狂いつづける 人生カルタ
これが運命と あきらめないで
涙こらえて おきあがる
背につめたい 旅の風
花の一匹 渡世人

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