藤純子
女一匹のブルース – 藤純子
男なんかの どこがよい
あんな汚れた ものよりも
あたしゃ好きだよ 道ばたに
咲いて踏まれた 咲いて踏まれた
鬼あざみ
なげた銀貨に 行先を
きいて旅ゆく 女にも
意地はあるのさ この意地が
恋の芽生えを 恋の芽生えを
ぶちこわす
羽根が啼くのが きりぎりす
喉で啼くのは 篭の鳥
あなただったら どこで泣く
顔で笑って 顔で笑って
腹で泣く
男なんかの どこがよい
あんな汚れた ものよりも
あたしゃ好きだよ 道ばたに
咲いて踏まれた 咲いて踏まれた
鬼あざみ
なげた銀貨に 行先を
きいて旅ゆく 女にも
意地はあるのさ この意地が
恋の芽生えを 恋の芽生えを
ぶちこわす
羽根が啼くのが きりぎりす
喉で啼くのは 篭の鳥
あなただったら どこで泣く
顔で笑って 顔で笑って
腹で泣く
いのちひとつを ふたつに分けて義理も立てたい 情も欲しいみれん心を 胸三寸のなかでバッサリ きりすててスジを通せば 身も細る花の一匹 渡世人風に吹かれて 重なり
娘盛(ざか)りを 渡世にかけて張った体に 緋牡丹燃える女の 女の 女の意気地(いきじ)旅の夜空に 恋も散る鉄火意気地も しょせんは女濡れた黒髪 緋牡丹ゆれる女の
この命、生みの親より、義理あるあなたのお役に立ちとう御座居ますほれちゃならぬと 知りながら咲いた女の 恋の花男まさりと 呼ばれたかげで泣いた日もある 泣いた日も