浦小雪
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生活たち – 浦小雪
飽き飽きするけれど愛しているので離さないでいる単調な生活 夜更かしで肌荒れ でもいいのよ 怠惰な幸せよ 若い美しさと引き換えに永遠に続いてくれないか 空の青さもカーテンで隠しながらテレビを見てる電気代はかかれどこの部屋はいつだって暖かいのさ 怠惰な愛しさよついに 終わるときには痛みさえ忘れるほどのくちづけを交わして死ぬのだ 楽しいだけじゃいけないかしら誰かのためだけの歌だってあるわあなたとふたり …
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ねぐされて – 浦小雪
君をだめにしたい わたしがいないとだめになればいいな嫌いなものとか 知りたくないんだな 怖い顔するのやめて 溶けちゃいそうなら早く目の前で溶けてみせてよ ダーリン 日差しが似合わない絵本の中で出会ったの ずっと閉じこもっていようよダーリン 歯磨き粉の味 時間とかここにはないし全部好きなようにしていいよ 君を歌にしたい 少し照れくさくって 気持ち悪い歌にしたい我儘言ってよね 子どもみたいにね そした…
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長いお手紙 – 浦小雪
あなたは言葉 熱を帯びた文学さよならのあと あの日どんな顔をしていた忘れじの夢 朝日が目をくらます恋しい心 宙ぶらりんの心 嫌いたくないから 知りたくないのよはじまりのシーンをずっと眺めてたいあなたはわたしに触れられないの目を合わせるだけでいいから、ら、ら 充ちたりた胸 戸惑いも恥じらいもやさしく撫でる あたたかい手のひらで夢現でも すべてを覚えていたい恋しい心 宙ぶらりんの心 愛していたいから …
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いちごジュースで待ち合わせ – 浦小雪
明日は きっと 行けないんでしょう裏返したら 君の顔頼れる妄想 幸福のふり痩せ我慢は良くないってさ ね? もらった ぬいぐるみに罪はないけど用はないいつのまにか 増えた ニキビ! いちごジュースをください昔より可愛いわたしは君とふたりのダサいプリクラ見返しちゃうんです 明日は きっと 行かなきゃいけない思い出す 恥ずかしいこと君とはずっと 友達だよ話すことなんてないけれど わたしのことどんな呼び方…
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炎症 – 浦小雪
さようなら またいつかねって いつ?鏡の中 わたしたち 立ち尽くしている誤魔化してばかりいた ほつれて落ちる ああ 今上手く伝わる言葉が 思いつかない きみはもう きみじゃなくて明日にはもっと違うかもそんなに離れてちゃ もうずれていくばっかり 日が暮れるまでは一緒にいて試さないほんとの気持ちで笑ってるばかりじゃ ふたりは可愛くない話を しよう さようなら またいつかねって いつ?いい匂いの煙に抱か…
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本を閉じたら – 浦小雪
生活の基本 頭から抜け落ちる言葉引き留め味のしないメロディーを噛み続ける頭を抱えながら暮らしているけどあの子に幸あれ 僕はたぶん気づかない 苦い顔して サンセット通りを歩くいつか送ると言った手紙の1文字目さえ浮かばない あの子の写真を全部捨てたからあの夏だけが空っぽなんだ 似たようなにおいにだまされて 誓いを立てた 世界一幸せだった夜を離さないでいられたなら探さなくてよかったのに 生活の資本 ぼや…
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Lovely Lovely – 浦小雪
君の寝言をかき集め 本にしようと思います咲き始めのしあわせ すぐに薄れてもいいの 君のことを歌いたい この街に居場所をつくるため君のことを歌いたい ハートのシールを貼るのです ぬいぐるみのうさぎの眼 寒い部屋 電気をつけるもし才能があったなら 君を映画にしたけど 君のことを歌ってる 部屋にはギターがあるから君のことを歌ってる きれいな星をあげたいから 優雅な生活を夢見ているけど 天気予報も見ないわ…
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フリック入力オールデリート – 浦小雪
くせっ毛の天使 君の名前略さず呼べば救われたり負かされたりして忙しいの浮き出たあばら骨 わたしだけのヌードが振り回されて 求める間違った答え あーあ全部消しちゃった あの愛おしい情熱が触れないまま萎んでいく すぐに忘れてしまうから 今日のうちに手紙を書くよ真面目な顔が似合わないから いつもヘラヘラしてしまうけど魔法が使えたときなら もっと恥ずかしいこと言えたたとえば優しくなりたいよ これからのふた…
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冬と遠雷 – 浦小雪
君の手は冷たくて夢を見てたようだった笑ってはその先のさよならをみていたわかってる、わかってるよいらいらも吐き出さなきゃ誤魔化し方上手いのは とうに知ってるんだから もういいよ もういいからさ今日は後回しにしようよ話そう 窓を閉じて 飽きるまで見つめあおう君のこと教えてくれ 同じ空気を 同じ魔法を 同じ淋しさを吸い込んだ僕らは出会った ただそれだけのことさ 忘れても 蓋しても どこからか染み出てくる…
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スウィートトゥース – 浦小雪
バター染みたみたい わたしはぐずぐずよくある ひどいことも 眠れば雲隠れ 声の隙間に忍ばせた 息も絶え絶えの愛情 脳のしわ増えるくらい きみを紐解きたい路地裏の夕日 眩しくて明日がこわいもうやんなる しあわせがもうやんなる 似つかわしくない! とめて 砂糖菓子に透けるわ くちびるいつも いじらしくきみの気をひいている 日々の隙間にさしこんだ 息も絶え絶えのラブレター 脳のしわ増えるくらい きみを紐…