こぼれ落ちた泪(なみだ)ひと雫
水面(みなも)に弧を描き出す
今もまだ胸に響くのは
もう失った幸せの歌
声もなく孤独に震えてる
麗し愛しき花よ
幾重にもまとった花びらで
その傷口を隠しているのでしょう
疲れ果てた心 かたく閉ざした蕾(つぼみ)
微睡(ねむり)なさい
明日を夢見ては
夜にたゆたう睡蓮の蕾
透きとおる 淡い紅の
花ひらく時 恋が咲くのだから
砕け散った愛を集めては
欠片(かけら)にまた傷付いて
くり返し痛みに耐えても
まだ眩しすぎた想い出に彷徨(さまよ)う
心色褪せたら 花は枯れてしまうわ
微睡(ねむり)なさい
この胸に抱かれ
私は闇を
照らす十六夜月(いざよいづき)
蒼白く優しい光で
あなたをすべて 包み込む様に
夜霧の揺り籠 そっと揺らして
愛しき想い口ずさむ子守唄
心枯れぬように 恋が枯れぬように
目醒めなさい夜が明けたなら
螺旋(らせん)を描くすがた美しく
今はただ水面に消えゆく
水泡(うたかた)の様に嘆きを忘れて
目覚めなさい
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