徳山璉
かんかん蟲は唄う – 徳山璉
世界五大洲 果(は)てから果てへ
船は浮気な 吹く風次第
帰る塒(ねぐら)の この浮寝鳥
港みなとの 潮垢(あか)おとす
カンカン虫は 可愛いゝね
煤(すす)で黒うてもよいをとこ
一度てがけりゃ 忘れぬお前
野暮なドックで また逢ひ戻り
錆をおとして 紅かねつけりゃ
出船別れの 名残が惜しい
カンカン虫は 可愛いゝね
煤(すす)で黒うてもよいをとこ
世界五大洲 果(は)てから果てへ
船は浮気な 吹く風次第
帰る塒(ねぐら)の この浮寝鳥
港みなとの 潮垢(あか)おとす
カンカン虫は 可愛いゝね
煤(すす)で黒うてもよいをとこ
一度てがけりゃ 忘れぬお前
野暮なドックで また逢ひ戻り
錆をおとして 紅かねつけりゃ
出船別れの 名残が惜しい
カンカン虫は 可愛いゝね
煤(すす)で黒うてもよいをとこ
人を斬るのが 侍ならば恋の未練が なぜ斬れぬのびた月代 寂しく撫でて新納鶴千代 にが笑い昨日勤王 明日は佐幕その日その日の 出来ごころどうせおいらは 裏切者よ野
かけたテントも 色あせて俺がたよりの 喇叭もさびた破れ太鼓も 旅すりゃ可愛い泣くながんばれ 五人のジンタ街にゃちらちら 灯がついた思い出させる あの娘のことをど
とんとんとんからりと 隣組格子を開ければ 顔なじみ廻して頂戴 回覧板知らせられたり 知らせたりとんとんとんからりと 隣組格子を開ければ 顔なじみ廻して頂戴 回覧