ナツノムジナ
台風 – ナツノムジナ
明け方 20号の予報に 湧く子供らと
電話線を 走る喜びも 渦を巻き溶けてゆく
ああ 窓に変わる 私の胸を 打ち付ける風
ずっと 変わらない景色 季節の影で 巡りゆく 空
風は止んで 空を拭う瞳の 静けさの中で
寄り添う 胸の奥の気配を あきらむる陽が射した
ああ 風に揺れる 誰かの声に 振り向いたなら
ずっと 繰り返す夢の 窓を開いて 飛び込めるから
明け方 20号の予報に 湧く子供らと
電話線を 走る喜びも 渦を巻き溶けてゆく
ああ 窓に変わる 私の胸を 打ち付ける風
ずっと 変わらない景色 季節の影で 巡りゆく 空
風は止んで 空を拭う瞳の 静けさの中で
寄り添う 胸の奥の気配を あきらむる陽が射した
ああ 風に揺れる 誰かの声に 振り向いたなら
ずっと 繰り返す夢の 窓を開いて 飛び込めるから
呑み込んだインクの黒は夜に似ていて あなたのそば 星になれたら月面に降りる度に眺めた光 あなたの目に似ていた同じ夜 生まれたばかりの 孤独を 照らす明星編み終え
通り雨の気まぐれが 君の髪を濡らす放課後の窓辺には ぬるい風が吹いた夕暮れ 街は よそよそしく集う 影に シミを落とすあなたの言葉と 僕の沈黙は同じ意味を持つか
目に見えることが 全てじゃないと 涙は流れず 瞳は虚しい信じたものが 手渡される度に 一人になれたら どんなにいいと思う晴れた日の朝に 私は歳をとって 生まれて
蜘蛛のように 巣を作るのは何故 透明な糸の中に 吐き出していく想いよ君の声が 光に変わる度に 掠れた糸の先で 震えを隠す夕凪足を滑らす 宙吊りのまま 次第に 目
煙の花束を 抱きしめ 肌を 震わせながら連なる光の 瞬き いつでも ここに帰る 暗がり寝ぼけた朝日が 僕を連れて別れもないまま 走り出して謎めいた奇跡の 切れ間
雨 濡れないままの夢 窓から 舞い落ちて今日の 夜に捨てた羽 君のもの 鱗粉は 青く空 切れ切れにこぼれた 飛べなくなった 余白きっと ただのイメージ 昔に墜ち