若山彰
サン・マルコの鐘 – 若山彰
春のベニスは夕月細く
東から来た旅びとも
なにか泣きたく リアルト橋を渡るとき
ペッポ ペッポ
ゴンドラを 呼ぶ声に
鐘が鳴ります サン・マルコ
黒いショールのイタリヤ娘
君はやさしいけしの花
長いまつ毛で リアルト橋の上で待つ
ペッポ ペッポ
ゴンドラに 灯がともり
海は夕焼け サン・マルコ
明日の別れの悲しさかくし
お寺の鳩に餌をやる
誰か知ろうぞ ふたりの指のこの涙
ペッポ ペッポ
ゴンドラは 恋の舟
鐘が泣く泣く サン・マルコ
春のベニスは夕月細く
東から来た旅びとも
なにか泣きたく リアルト橋を渡るとき
ペッポ ペッポ
ゴンドラを 呼ぶ声に
鐘が鳴ります サン・マルコ
黒いショールのイタリヤ娘
君はやさしいけしの花
長いまつ毛で リアルト橋の上で待つ
ペッポ ペッポ
ゴンドラに 灯がともり
海は夕焼け サン・マルコ
明日の別れの悲しさかくし
お寺の鳩に餌をやる
誰か知ろうぞ ふたりの指のこの涙
ペッポ ペッポ
ゴンドラは 恋の舟
鐘が泣く泣く サン・マルコ
俺ら岬の 灯台守は妻と二人で 沖行く船の無事を祈って 灯をかざす灯をかざす冬が来たぞと 海鳥啼けば北は雪国 吹雪の夜の沖に霧笛が 呼びかける呼びかける離れ小島に
旅にでも 出ようかと娘を誘えば その台詞母さんが 生きてるうちに聞きたかったと 涙ぐむ花につもった こ雪をはらう横顔が…優しさが…娘よ 似てきたなァ母さんにたわ
白鳥は 北へいくあの人は 東京へうつろな想い 抱きしめて渚たどれば 風ばかりあゝ 白鳥も あの人もいない湖白鳥はかなしからずや 空のあをうみのあをにも そまずた
小さな樹でも 青空にのびゆく自由を もっている嵐をさゝえ その樹をまもれ君のその手で僕のこの手でのびゆく日本の自由を護れ緑の島に しあわせの平和な灯り ともす国
夕焼空の 朱(あけ)のいろ仰げば遠く 想い出すあゝ長崎の 原子雲幾年月は 過ぎ去れど母の遺品(かたみ)の ロザリオ悲し後には病める 父ひとり看護(みとり)に疲れ