若山彰
長崎の兄妹 – 若山彰
夕焼空の 朱(あけ)のいろ
仰げば遠く 想い出す
あゝ長崎の 原子雲
幾年月は 過ぎ去れど
母の遺品(かたみ)の ロザリオ悲し
後には病める 父ひとり
看護(みとり)に疲れ うたた寝の
あゝ長崎の 兄妹(あにいもうと)
その父さえも 天国へ
神に召されて 還(か)えらぬものを
焼野にひらく 名無草
摘みつつ聞きて 涙せし
あゝ長崎の 鐘の音
心の糧(かて)に 十五年
瞼はなれぬ 父母(ちちはは)やさし
夕焼空の 朱(あけ)のいろ
仰げば遠く 想い出す
あゝ長崎の 原子雲
幾年月は 過ぎ去れど
母の遺品(かたみ)の ロザリオ悲し
後には病める 父ひとり
看護(みとり)に疲れ うたた寝の
あゝ長崎の 兄妹(あにいもうと)
その父さえも 天国へ
神に召されて 還(か)えらぬものを
焼野にひらく 名無草
摘みつつ聞きて 涙せし
あゝ長崎の 鐘の音
心の糧(かて)に 十五年
瞼はなれぬ 父母(ちちはは)やさし
俺ら岬の 灯台守は妻と二人で 沖行く船の無事を祈って 灯をかざす灯をかざす冬が来たぞと 海鳥啼けば北は雪国 吹雪の夜の沖に霧笛が 呼びかける呼びかける離れ小島に
旅にでも 出ようかと娘を誘えば その台詞母さんが 生きてるうちに聞きたかったと 涙ぐむ花につもった こ雪をはらう横顔が…優しさが…娘よ 似てきたなァ母さんにたわ
白鳥は 北へいくあの人は 東京へうつろな想い 抱きしめて渚たどれば 風ばかりあゝ 白鳥も あの人もいない湖白鳥はかなしからずや 空のあをうみのあをにも そまずた
小さな樹でも 青空にのびゆく自由を もっている嵐をさゝえ その樹をまもれ君のその手で僕のこの手でのびゆく日本の自由を護れ緑の島に しあわせの平和な灯り ともす国
春のベニスは夕月細く東から来た旅びともなにか泣きたく リアルト橋を渡るときペッポ ペッポゴンドラを 呼ぶ声に鐘が鳴ります サン・マルコ黒いショールのイタリヤ娘君