若山彰
白鳥は北へ帰る – 若山彰
白鳥は 北へいく
あの人は 東京へ
うつろな想い 抱きしめて
渚たどれば 風ばかり
あゝ 白鳥も あの人も
いない湖
白鳥はかなしからずや 空のあを
うみのあをにも そまずただよふ(牧水)
白鳥が 湖へ
あの人が この町へ
わたしの胸の 湖に
恋の波紋が おしよせて
あゝ あのときが あのこえが
忘れられない
白鳥は いつかえる
あの人は いつかえる
湖畔の径に 草笛を
ふけばほろほろ ぬれる胸
あゝ 白鳥も あの人も
いない湖
白鳥は 北へいく
あの人は 東京へ
うつろな想い 抱きしめて
渚たどれば 風ばかり
あゝ 白鳥も あの人も
いない湖
白鳥はかなしからずや 空のあを
うみのあをにも そまずただよふ(牧水)
白鳥が 湖へ
あの人が この町へ
わたしの胸の 湖に
恋の波紋が おしよせて
あゝ あのときが あのこえが
忘れられない
白鳥は いつかえる
あの人は いつかえる
湖畔の径に 草笛を
ふけばほろほろ ぬれる胸
あゝ 白鳥も あの人も
いない湖
俺ら岬の 灯台守は妻と二人で 沖行く船の無事を祈って 灯をかざす灯をかざす冬が来たぞと 海鳥啼けば北は雪国 吹雪の夜の沖に霧笛が 呼びかける呼びかける離れ小島に
旅にでも 出ようかと娘を誘えば その台詞母さんが 生きてるうちに聞きたかったと 涙ぐむ花につもった こ雪をはらう横顔が…優しさが…娘よ 似てきたなァ母さんにたわ
小さな樹でも 青空にのびゆく自由を もっている嵐をさゝえ その樹をまもれ君のその手で僕のこの手でのびゆく日本の自由を護れ緑の島に しあわせの平和な灯り ともす国
春のベニスは夕月細く東から来た旅びともなにか泣きたく リアルト橋を渡るときペッポ ペッポゴンドラを 呼ぶ声に鐘が鳴ります サン・マルコ黒いショールのイタリヤ娘君
夕焼空の 朱(あけ)のいろ仰げば遠く 想い出すあゝ長崎の 原子雲幾年月は 過ぎ去れど母の遺品(かたみ)の ロザリオ悲し後には病める 父ひとり看護(みとり)に疲れ