とりもどした温かさに
貧しい木造りの椅子を置こう
光を浴びながら
椅子はまぶしそうだ
その椅子には
ゆきずりの女が座るんじゃない
ショールより温かく
きみが座るんだ
きみが座るにふさわしいのは
陽溜りの椅子に似ている
忘れられながら
椅子は待ちつづけて
その椅子では
たそがれの風景が通りすぎると
おだやかなことばが
きみに与えられる
でもやがて ぼくに気づくと
きみは くるりと椅子を廻すかも知れないけれど
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夜の静けさがある 薄紫の光がある酔っていようあなたの心の奥の芯に僕の言葉がぶつかってこつんと小さな音をたてるそのかすかな響きが 部屋の中を遊んでいる夜のほほえみ
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鳩笛は 日の昏の音色しのび寄る 冬のあしおと鳩笛に なき友をおもう岩木山 雨にけむる日鳩笛をくちびるにあてる思い出は 雲とながれて鳩笛に 涙する人よ君もまた 津
もうあきてしまった もうあきてしまったバラのつぼみは 咲かずに散ったお前と話すことさえももうあきてしまった もうあきてしまった窓のカーテン 黙ってゆれて沈みかけ
男の心は海の広さ 女の心は海の青さ海が荒れれば 心が燃える 海と男と女のブルース捨てても 捨てられても うらみっこ無しさ女の胸はおいらの寝ぐらさ 長居は出来ない
今夜もあの男は 帰って来ない束の間の愛を 拾っては捨てて彷徨う男の 後姿暗い夜の街に あの男は何を見つめているのか過ぎた日々の夢それとも癒えない寂しさなのか私の
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どうして あの日 ふたりは出会ったの人恋しい 人恋しいと 風の鳴る中でどうして あの日 ふたりは 見つめあったの人生の切なさを 見たことのある瞳で出会いは突然
愛はいつも束の間 このまま眠ったら二人 これから ずっと はぐれてしまいそう明日あなたのうでの中で 笑う私がいるでしょうか秋は木立ちをぬけて 今夜遠く旅立つ夜明
緑おりなす 草原の風 あなたの髪を 櫛けずってゆく果てしない海 わだつみの中 白い小舟は二人を乗せて青い海面を すべってゆくよオリーブの葉は 風とたわむれ 白い
たとえ空が落ちて地が裂け崩れてもただおまえだけを愛する私抱き空いて眠るこのひと時こそは口付けの内にこの世は消え果てるLe ciel bleu sur nous