日食なつこ

0821_a – 日食なつこ

アルデバラン燃え盛る 太陽より遥か向こうにいる
赤く点滅する星たちは もうすぐ終わる定めにある
君が生きたその一生は 君自身に何を与えただろう
オレンジにきらめくその熱は 何かを叶えたあとの光か

摂氏マイナス10を切る この冬はひどく饒舌である
銀色に弾ける電線が あらゆる言葉を切り刻む
僕が消えるその一瞬に 僕自身は何も感じぬだろう
まっ黒く抉れる土の上 悲しみ 怒り いつかは果てる

この命が止まって ほどけ落ちゆく先で
巡り戻れぬとして それでいい それが正しい
出会えた者たちよ 出遭えなかった存在よ
またいつか なんてない さよならだ

いまだ未観測の星たちよ 誰の目にも留まれない今日を
リゲルよりも強く青く 瞬いて泣いて生きるがいい
もう戻らぬ感情たちよ その名前も思い出せないままで
光よりももっと速く 燃え尽きて落ちて消え果てればいい

アルタイルが飛んでゆく 太陽より遥か向こうをゆく
かつて対を成した鳥は今 笑われ堕ちる定めにある
誰が生きて死ぬ一生も この宇宙はどうでもいいのだろう
帰るべき方角照らし出す 北極星すら歳差で逃げる

日々観測史上初 この夏はひどく蒙昧である
金色に輝く太陽が 全ての思いを怯ませる
僕が描くどの一瞬も 僕が歌う一切合切も
何一つ残らず消えてゆく 何にも残せずこのまま果てる

それならば僕たちが生まれて死ぬ理由とは?
分かりきった答えの蓋を開くことが恐ろしい
出逢えた僕たちよ 願わくばまだもうちょっと
共にいたい なんてな 冗談さ

いまだ未観測の星たちよ 誰にも届かない声を
よだかよりも強く高く 響かして叫んで生きるがいい
もう戻らぬ感情たちよ 僕が潰えたこの未来で
光よりももっと速く 燃え尽きて落ちて消え果てればいい

人気の新着歌詞

跳躍 – 日食なつこ

誰も傷付けたくないと変な正義感を掲げてからは相手を気にしすぎてか何でか身動き1つ取れなくなったよ便利なはずの千里眼で余計なものまでが見え始めたあんたの笑顔さえも

あるエゴイストの冒険記 – 日食なつこ

遥か遠く地平線の向こう世界の全てがあるらしい名誉か金かは分からない何せ誰も見たことがないある国では皆に推されひとりの男が立ち上がった世界の全ては必ず私がここに持

深夜潜水 – 日食なつこ

夜になっても眠らない僕と街の灯りはひっそり冷えた深海底をゆらりゆらす深海魚遠く頭上にさぽっかり、そうしてひんやり浮かぶ満月はひっそり冷えた深海底 その水面の目標

スペクタクル – 日食なつこ

On that morning, I got up early.when the world was still covered with night blue

開拓者 – 日食なつこ

一般的に普通1分で歩く距離を3分4分かけて歩いてく人がいる1歩踏み出すたびにその意味を考えるちゃんと確認してからじゃなきゃ進めなくて遅くなる何も考えない日々はい

ヒューマン – 日食なつこ

何千万もの生物種の中で ただひとり言葉を持つ何千万もの生物種の中で 誰よりも高い知恵僕らの名前は人間です何回言っても伝わらないで 使いこなせもしない言葉の爪手入

Fly-by – 日食なつこ

あてにしないでね 最後は欺くつもりだから人の痛みなんて知らない 体はこの1つしかない今の状況下 ありがとうもありがとうにならない君の痛みさえも知りたい 欲張った

夕立 – 日食なつこ

ほてったアスファルトが蒸発する匂い止まった空間を掻き乱す虫取り網終わってゆく夏の午後の気だるさから人の気配が消えていく至って陽気な向こう見ずの青空すみっこ押し遣

レッドデータクリーチャー – 日食なつこ

とんだ茶番劇さ お前も人間だったとはね脱皮した抜け殻から 出てきた姿に呆れたさ冷血動物の演技 冷酷な目をしたふりをして背後じゃ別の生き物を かくまっていただなん

天井のない部屋 – 日食なつこ

危ないと言われたから聞き入れた それまで安全と言われたから着いて行った それまで誘われた部屋の戸の鍵が閉まったいつの間にやらつけた 鎖の先 鉄の玉守ってやるって

floating journey – 日食なつこ

非現実世界への招待状はいつも突然に私の頭の中へ放り入れられるよりによって今日は4時間目数学パズルの途中早退理由は「空があたしを呼んでいる」お昼時 12:42 の

シーラカンス – 日食なつこ

水切の石みたいに 放り出されたあたしの体一度水面を擦めるとそれは 段々と頻度を増してやがて水中に沈んでいく水の中では鰭(ひれ)が生えた 泳ぎ回るあたしの体だけど

三面鏡 – 日食なつこ

毎日おんなじ場所にいる猫は道行く人々に思い思い好きに呼ばれる全部の名前に返事をする毎年おんなじ場所に咲花々は恋人たちに「僕らのために咲く花だ」と何回言われても揺

数える – 日食なつこ

準備はできたかい閉められない鞄の口つっかえてるのは入りきらない思いのたぐい誰にも媚びずに誰も取り残さないようにあくまで時間は全てに他人の顔をする朝もやが蒸発する

青いシネマ – 日食なつこ

音を立てて回転を続ける映写機はかたかた半透明のフィルムはどれもこれも青い色だお世辞にも面白いとはけして言い難いような中身だ僕が生きた端っこから巻き取っていく青い

エピゴウネ – 日食なつこ

あの日夢を乗せて打ち上げたロケットの軌道を今日も把握してるか離陸に歓喜の声をあげてそれっきり終わってはいないかな半端な夢を乗せてひしめきあってどれが誰の何かも分

雨雲と太陽 – 日食なつこ

雨雲は恋をした 相手はきらきらの太陽人気者の彼のこと いつでも遠くから見ていたあたしが空に出たなら みんな逃げだして隠れちゃうのあなたがひとたび繰り出せば 誰も

水流のロック – 日食なつこ

流れもしないよ停滞のさなか景色は似たり寄ったりだね変わってみろよと挑発したとこで世界は今日も臆病だね挑みもしないよ泥濘のさなか僕らの尾ひれ胸びれは逃げるためだけ

竜巻のおどる日 – 日食なつこ

冬の嵐 揺れる街突き飛ばすような強い風どんな声も飾りも今日はただの木枯らし冬の嵐 揺れるビル竜巻の注意報鉛色の乱気流なすすべなく煽られて飛ばされてきてしまえばい

ヒーロー失踪 – 日食なつこ

応答願う この星の空はSOSで飽和しているシネマスクリーンで憧れたあのヒーローを待ってる正義を名乗ったでくのぼうたちは今日も悲劇を待ちわびている泣いてる君に伸ば

Back to top button