ウォルピスカーター

漂白 – ウォルピスカーター

怖い怖いって言えたら
麻酔をくださいって言えたら
塞いだ舌 溺れないよう
隠した目 何も見ないように

痛い痛いって言えたら
眠らせてほしいって言えたら
握った爪 悟られぬよう
開けた口 息を止めぬように

綺麗にしたくて
曝け出したズル

削る
腐っている
私の言葉は儘
見えないように降って
落とせない呪いみたいに積もる
暴いて 暴いて 世迷言を
私の傍から
濯いだ唾液と呼吸器に
血が混ざっている

うまく笑えないのは
知らない汚れを嫌って

ただ彼方の朝
沁みる群青の吐息で
引き攣って笑いたい

銀製の刑具で
沈着を剥がして

削る

ズル
廻る
腐っている
私の歯肉は様
癒えないように膿んで
殺せない想いみたいに曇る
磨いて 磨いて 紛い物を
私の傍から
濯いだ唾液と呼吸器に
血が混ざっている
でも
綺麗でしょう?

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