TOUYU

Halation – TOUYU

拝啓、過ぎ去った 四年間
整然としている エントランスに
残されたまま 無愛想に突っ立ったまま

退場の数を数えて 空席の埋まった未来の
順番が来るのを待っていた 信じきっていた

大抵のことは出来たのに
最高は 至って不明だ

原因は解っている 解っている 解ってしまう

才能に縋って 歩いて
才能を呪った 時点で

もう終わっているのさ 立つことも億劫だな

間違ったやつらを 馬鹿にして安堵していた
馬鹿にされたこともない僕らは

傷一つ負うことなく 新品で
ただし 後悔も、思い出も、語ることもなかった

毎日に狂いそう
平凡を嘆いている 抗う気もないまま

また誤魔化していく
36.5℃の世界で
同じように 同じように 笑った

狂いきれなかった
正体を殺して
逆光のハレーションに
言葉を暈しても 変われなかった

半径2畳半の世界で
同じように 同じように 笑った

拝啓、過ぎ去った二十年
七月十日 僕たちは
快晴の空に 細い手を伸ばしていた

懸命に描いた 自由は
本当はもう 叶っているんだ

とっくに気付いている 気付いている
もう うんざりだ

適当な人生を 適当に謳歌している
適当な言葉で のらりくらりと

不意に静寂が 耳に痛くなる
誰も後悔の仕方は 教えてくれなかった

毎日に狂いそう 妄想に耽っていく
心を溶かすように

ずっと騙している
2.85次元の世界で
同じように 同じように 笑った

目を開けたまま

変われなかった

毎日に狂いそう
平凡を嘆いている 抗う気もないまま

また誤魔化していく
36.5℃の世界で
同じように 同じように 笑った

狂いきれなかった
正体を殺して
逆光のハレーションに
言葉を暈しても

変われなかった
君と同じような世界で
同じように 同じように 普通に

同じように 同じように 笑った

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