MOROHA

  • やめるなら今だ – MOROHA

    二十歳前 夢を語り合い同じビートでラップ してたあいつらでも 賢い奴からやめたでも最もバカだったの 俺だった「なぁなぁ諦めで得る幸せの味って一体どんな感じだ?」夢と引き換えに家庭? 安定?俺はごめんだよ クソがくだらねえ御祝儀ねえから欠席に丸貧しさでこそ 人は薄情に染まる当日 家で唇を噛むインスタで奴らが並んで笑うあの頃となんも変わらん あいつら疲れ捻くれた 俺のツラ見比べりゃわかる 痛い程 わか…

  • あいしてる – MOROHA

    雨の日 風の日も ひたすらにかいたんだ鉛筆で走り抜いた道のりが財産だだけど 消しゴムが這いずり回るこの道も 等しく 愛しく思う言葉は書く じゃなくて引っかくだから文字は消えたって爪跡は残ってるノート上で消されてった数多のフレーズが作品の完成を下から見ているこれだ!って閃いて一心にかき綴りやっぱ違うかぁって頭を掻き毟り呻き声をあげながら悶えた日々地獄 天国 行ったり来たり壮大なドラマの始まりの名場面…

  • 燦美歌 – MOROHA

    人は瞳から瞳へと旅をする人は瞳から瞳へと旅をする人は瞳から瞳へと旅をするこの瞳にあなたが宿る ここじゃない場所なんてないんだよだって あたしが立つ場所が『ここ』になるんだもん炊事 洗濯 仕事に育児 生活は少しだって 待っちゃくれないひたすらにフル回転 働いて 生まれたばっかりの我が子を守る為髪を結んで短く切る爪 俯かないで 前を向け睫毛出ていった旦那に未練なんてないよ あったってそこには未来はない…

  • エリザベス – MOROHA

    開いたアルバムの中にやっぱり殆ど写ってなかったシャッター係 譲らない父は外じゃサラリーマン家ではカメラマンあたしが生まれた時買ったらしいフィルム一眼 一番の自慢最初はピント ズレズレで残念フラッシュ焚いて真っ白な顔面「一体何枚とれば気が済むの?」年頃の娘に呆れられても「ラスト!もう一枚だけ!」なんて粘っては片目を閉じて笑ってたフレーム収まる私と母その手前カメラ構える父親写真に残る笑顔は二つでもその…

  • 俺が俺で俺だ – MOROHA

    拝啓 11歳の俺へまだ毛も生え揃わない小学五年ごめん 突然だけど残念なお知らせお前の夢 それ叶わねぇ来年 地元で一等の才能を目にしてその力の差は歴然 唖然 俄然やる気なくして情けなくもあっけなく諦めちまうんだぜ まじダセーでもな あの時諦めてなければなんて一ミリたりとも思ったりしないドラフト一位の未来以外愛せないなんて悲しい人になりたくない今はバットをマイクに持ち替えかっ飛ばすビッグマウスいつかや…

  • 花向 – MOROHA

    見上げた夜空 獅子座 乙女座君と肩並べて眺めてたその横顔に照らされてあっけなく俺の心は暴かれてしまったどこまで好きになっていいものかなんて考え出した頃にはもう遅かったときめきはすぐにため息に変わりこの想いは調律なんて出来ない「もう帰らなきゃ」 って呟く夜9時黙り込んだ二人歩き出し見慣れた街並みに近づくと同時に繋いだ手のひら そっと離す君溢れる想いの分だけ迷う別れ際の数秒 何を伝えよう?でも薬指に光…

  • 六文銭 – MOROHA

    あなたがいた だから名曲 「もう惨めな想いはしたくないんだ」そう嘆き俯いた日のこと優しいあなたは俺の手を握りしめたりなどしなかった代わりに床に散らばったペンを拾い集めては強く固く握らせた「やるんでしょ? やらなくちゃでしょ?知ってるよ 私は知ってるからね」そう言って ひとりぼっちにしてくれたその健気さを その愛しさを痛みを 怒りを 光を綴ったその夜 俺はラッパーになれた「華がないなぁ」って言われて…

  • 命の不始末 – MOROHA

    「君は君らしく」なんて言われるまでもなく俺は俺にしかなれずクズでカス 罪と罰 積み重ねた全てが崩れ去るまさに命の不始末俺が不幸にしたんだと思います浴びる罵声こそ相応しく思います許されることを 望むことすらも烏滸がましく謝罪の言葉さえ持て余す油断するとまたすぐに悲劇ぶるそんな資格が俺にあるはずもなく下らない人生 切りきざんで叩き売る品のない商売 小汚い生涯この期に及んで未だにこびりついてる愚かな性欲…

  • 新約「償い」 – MOROHA

    時は令和 世田谷下北沢練習にしばらく来てなかったボーカルの雄介がスタジオのドア あけるなり放った言葉「俺、今日でバンドやめる、みんなごめん」水を打ったように静まり返ったリハスタメンバーはひたすら彼を引き留めただがそれを遮って 「もう決めたんだ」そう呟いたきり彼はただ俯くだけだった沈黙とため息が幾重にも重なった諦めと苛立ちがそれに絡まった煮えたぎる腑 堪えきれずメンバーが彼を罵った「裏切り者」償い …

  • ネクター – MOROHA

    最初の一杯まではハッピーなのに杯を重ねるごとにヒステリー琥珀色してる美しい瓶 ウィスキーアルコール度数41「どうして?」こんなにも綺麗な液体が人を濁らせ壊してしまうのだろう?穏やかな爺ちゃんを化け物に変える慎ましい暮らしに 爆竹が哭く赤黒い顔から浴びせる罵声「われ!わんだれ!文句あるなら出ていけ!」母親はひたすらに子供の盾声ころし降らした 小さな雨でも 翌朝 午前5時 窓の外聞こえる 牛乳瓶が運ば…

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