眠気にやられた眼で 窓の外ばかり見ていた
不安や嫉妬や恐怖を 見るのはもううんざりで
どうせなら綺麗なものを なるべく綺麗なものが見たい
そう思って眺めてたら 外で子猫が轢かれてた
悲しみも過去の過ちも全て奇麗に忘れるって言うなら
善も悪もくだらねぇよ 結局全部同じだろ
命は今日も簡単に 誰にも知られず消えていく
「仕方が無い」じゃ 割り切れないよ
久しぶりに会ったあの子は 前よりさらに痩せていた
少しは強くなったよと 人間にもだいぶ慣れたと
僕は相変わらずなんだ 色々から逃げてばかりで
下を向いて歩く癖が いまだにずっと治らない
人殺しや詐欺師なんかとは違うんだ 何も悪く無いと
自分自身の正当性 どうにか探してみるけど
思い当たるもの全てが なんだか言い訳に聞こえて
急に申し訳なくなって 許してくれと呟いた
干涸びて 朽ちていくだけの
この身であと何が
出来るの
大丈夫って 言っておくれよ
また陽が落ちてしまう前に
ただ寒くて 人に縋って
一人じゃないって 都合良すぎるぜ
もう言ってる事すら曖昧
それが日々
僕らが今までちゃんと生きた事をお互い確かめ合うみたいに
帰りの道を二人で どちらとも言わず歩いて
あそこで昔事故があった事や秘密で飼った猫の消息
何かに抵抗するように 必死で色々思い出した
彼は野球選手を夢見てどこか遠くの街へ出たきり
彼女は16で妊娠して今は一人きりで暮らしてる
明日なんて分からないと あの子は笑ってから泣いた
つられて僕も笑った 泣けないからただ笑った
干涸びて 朽ちていくだけの
思いはどこにしまえば
いいんだろ
幸せだって 言っておくれよ
また冬が来てしまう前に
時が経って 人も変わって
なら約束も 未来も意味無いぜ
もう記憶も意識も曖昧
それが日々
産まれた人
死んでゆく人
生産 消費
繰り返す命
誰もが皆
死に向かって進む
それなら死ねば幸福か
大丈夫って 言っておくれよ
また陽が落ちてしまう前に
楽しい事だけ 切って繋いで
それしか無いって 空しすぎるでしょ
幸せだって 言っておくれよ
また冬が来てしまう前に
時が経って 人も変わって
なら約束も 未来も意味無いぜ
もう記憶も意識も曖昧
それが日々
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