CIVILIAN

それは或る夜の出来事 – CIVILIAN

この夜が 明ける前に
やり直さなきゃ 許せなかった全ての過去を

生きている
ただそれだけの事を続けてく為に
俺達は今日も息を 一瞬も止められないで
町の灯が 今ぽつぽつと灯り始めた夕暮れ
高架橋の上で急に 全てに嫌気が差して

君はさよならを告げようとしてるんだ 周りの全てに
時間と空間に復讐しようとして
宙を舞うその体 線路上 叩き付けられるまで
数秒間の自由を手にして

この夜が 明ける前に
終わらせなきゃ 吐きそうな記憶を
ああだけど 足が竦んで
踏み出せないね こんな思い出など灰にしたいのに

生きている
ただそれだけの事がとても厄介で
俺達は吐いた息にさえ 理由を求めてみるけど
ほら考えて すぐ分かる事だから面倒臭がんないで
そもそも誰の意思で ここに産まれたんだっけ?

ああ確かにさ聞いてたよ 気付かない振りをしてたけど
「ずっとこんな世界なら良かったね」って言ってた
君はもう あの時もう 分かってた 一つの正解を
変わらない物など無いんでしょう

引き裂いて また繋げて
いつまで経っても 赤く腫れた心
次にまた 裂けた時には
おしまいかもね 震えた手を組んで

僕ら皆本当は 分かってる筈なんだよきっと
誰から貰った命かってことくらい
だけどホラ気が付くと 簡単に忘れてしまうんだよ
思い通りに生きてるって思って
思い込んで

こんな日々を 変わらない日々を
繰り返すのは もう嫌だよ虚しいよ
何でもいいよ 理由さえあれば
生きて行けるから 過去がどうであれ

だからこの夜が 明ける前に
やり直さなきゃ 許せない全てを
朝が来て 全てを照らして
その眩しさで 目が眩まないように

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