胸騒ぎは空蝉の花 夏は綺麗なソーダ色
あの子が恋する夜 僕は背景にすらなれなかった
蒸気船をぼんやり見ては 川沿いの草むらに捨て
蠅が群がっているのは きっとあの日の勇気だ
息を止めたら肺の奥で膨らむ 不安の原因はこの川下で行方知れず
夕方の空砲が鳴り響く頃に発見された
見るも無残な思い出に「そんなまさかって」泣き叫んだ
僕らの言い訳 どうか暴いてよ夕焼け
二度と自分を騙せないよう 僕の欺瞞を晒して
「いつか必ず上手く行く」 ならそのいつかを教えて
一秒も耐え難い痛みを知るなら 逃げろ、自由に向かって
朝の礼拝うまくさぼって 水車小屋で枝を削る
僕らを阻むものは“当たり前”と“それなり”だ
英雄にはなれなそうだ 僕らのあの冒険心は
幼い日の化け物屋敷 きっと置き去りにしてきた
教科書をインクで真っ黒に塗り潰して君は
「僕らが学ぶべきなのはこれだよ」って笑った
あの日憎んでた大人に 僕は今日も頭を下げる
あの日見下げてた大人だ「そんなまさかって」泣き叫んだ
僕らの言い訳 どうか暴いてよ夕焼け
二度と自分を裏切れないよう 僕の狡さを晒して
「いつか必ず上手く行く」 ならそのいつかを教えて
一秒も耐え難い痛みを知るなら 逃げろ、自由に向かって
巨大なリバークイーン号が太々しく川を行く
その横をちっぽけな筏ゆらゆら
「いいか見ろよあの筏が 僕らなんだ 今に沈みそう
だけど自由だ 君次第だ あの夕日を 撃ち抜くのだって」
夕焼けに誓ったんだ
僕らの言い訳 どうか暴いてよ夕焼け
二度とあの日に恥じぬように いつでも思い出させて
「いつか必ず上手く行く」 ならそのいつかに会わせろ
一秒も耐え難い痛みを知るなら 逃げろ、自由に向かって
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