高瀬豊子

  • 渦潮物語 – 高瀬豊子

    世界にとどろく 鳴門の大渦(うず)が岩礁(いわ)にくだけて 湧きあがる播磨灘から 紀伊水道へ飛沫(しぶき) 飛び散る あばれ波鳴門海峡 渦巻く潮は自然が織り成す 日本の宝 渦潮育ちの わかめや鯛は舌もよろこぶ 味の良さ地酒 蓮根(れんこん) 金時(きんとき)いもに人形浄瑠璃(しばい)と 阿波おどり鳴門海峡 笑顔が集(つど)う豊かな恩恵(めぐみ)に 潤(うるお)うこころ 海峡へだてて 向かいは淡路島…

  • おどり天国 – 高瀬豊子

    阿波(あわ)の踊りは 世界の踊り赤い裳裾(もすそ)が チラリと揺れて手元しなやか 菅笠(すげがさ)越しに白いうなじが 夜空に映える粋な法被(はっぴ)に 飛び散る汗の男踊りに 太鼓が響く 春は華やか 蜂須賀桜(はちすかざくら)踊る季節が 夏へと続く笛や太鼓に ぞめきのリズム老いも若きも 三味(しゃみ)の音(ね)合わせ何処(どこ)も彼処(かしこ)も よしこの囃子阿波の踊りは 天までとどけ 古城(こじょ…

  • 懸け橋 ~なるとに あわじに かがわの未来~ – 高瀬豊子

    鳴門海峡 男の漁場真鯛(たい)の本場だ 一本釣りだ生命(いのち)預けた この漁船(ふね)で釣糸(いと)を操り 誘いをかけるうずの華(はな)だよ 締まった魚体(からだ)ウロコ散らして 喰らい付け 南あわじの 自凝(おのころ)島は国土(くに)が初めて 誕生(う)まれたところ眠る神話が 目を醒(さ)ます慶野松原(けいのまつばら) 夕日に抱かれ白砂(すな)も景色も 何処にも負けぬ深い歴史の 淡路島 東かが…

  • 瀬戸内恋みなと – 高瀬豊子

    なみだ色した 漁港(みなと)町そっと見送る あなたの背中泣いてあまえて とめれたら縋り付きたい その腕の中密(ひそ)かな恋の 人なのに雨の瀬戸内 濡れて北灘(きたなだ) 恋みなと 背黒(せぐろ)カモメよ 辛いから連(つ)れて来ないで 想い出なんかえくぼ 流し目 その笑顔みんな好きだと 抱きしめられたあなたの胸の あたたかさ霧の瀬戸内 燃えた北灘 恋みなと 船がゆくゆく 播磨灘みれんひとすじ 尾を曳…

  • 鯛網船 – 高瀬豊子

    風にはためく 大漁旗に桜吹雪が 夢を呼ぶ春の鳴門は 粟田の港今日も出て行く 鯛網船が港の若衆を 乗せて行く カモメ群(むれ)飛ぶ 漁場に着けば昇る朝日に 輝らされて青い波間に ウロコが光る桜鯛(さくらたい)だよ それ引け網を色もあざやか ハネ踊る 獲れた魚を 輪に成って囲み冷(ひや)で地酒を 回し喰(の)むこれは見事な この晴姿(はれすがた)スダチワカメを お皿に盛って今日は大漁だ ドント行(ゆ)…

  • 海峡ホテル – 高瀬豊子

    闇に潤んだ 灯りを引いて何処へ行くのか 夜の船これが最後と あなたの胸にこの頬埋めれば こぼれる涙忍び恋です 別れです白い夜霧の 海峡ホテル 海の深さも 心も同じ逢えば燃えます 炎(ひ)のように情(こころ)やさしい あなたの愛が躰(からだ)の芯まで 私を変えた恋と言う名の 倖せの夢を見ました 海峡ホテル 鳴門海峡 儚く揺れる遠く近くに 宿灯り残る未練を 涙で包(くる)み渦巻く夜明けの 波間に捨てる…

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