高橋キヨ子
桜扇の舞 – 高橋キヨ子
朝は朝つゆ 夕べは夜つゆ
濡れて色増す 花もよう
風の無情に 泣く日もあるが
おんな夢見る 晴れ舞台
今宵も咲きます 桜扇の舞
星も凍てつく 月日もあるが
冬はかならず 春になる
足袋のこはぜは 五弁の桜
所作がいのちの 裾さばき
涙じゃ舞えない 桜扇の舞
負けず嫌いは 性分だけど
指の先まで おんなです
髪にいちりん 花かんざしが
舞えば揺れます 春の風
門出の舞です 桜扇の舞
朝は朝つゆ 夕べは夜つゆ
濡れて色増す 花もよう
風の無情に 泣く日もあるが
おんな夢見る 晴れ舞台
今宵も咲きます 桜扇の舞
星も凍てつく 月日もあるが
冬はかならず 春になる
足袋のこはぜは 五弁の桜
所作がいのちの 裾さばき
涙じゃ舞えない 桜扇の舞
負けず嫌いは 性分だけど
指の先まで おんなです
髪にいちりん 花かんざしが
舞えば揺れます 春の風
門出の舞です 桜扇の舞
届かぬ想い 桜にたくしひとり台詞(ぜりふ)の 恋舞台春夏秋冬 ひらひらと 花吹雪春の桜は しゃんと咲く エー しゃんと咲く渦巻く嵐 心の破片(かけら)涙かくして
太鼓 三味線 笛の音夏の城下が 踊る頃郡上ぼんぼり お月さん朝まで一緒に いておくれちいと ひとりじゃ 寂しくて 寂しくて郡上のナー八幡出てゆくときは(ハ ソン
春爛漫の 花の色星影淡く 風薫る松竹梅の 舞扇花びらに似て 鮮やかに宴の園に 咲き誇る雲流れ去り 月冴えて金襴瑠璃(きんらんるり)の 花舞台太鼓や鉦(かね)の
咲くやこの花 優しい言葉ですねともに厳しい 風雪を耐えたあの人 今どこに元気で 元気で きっと元気よね咲くやこの花 優しい花ですね咲くやこの花 綺麗な言葉ですね
(ヤサホーラエー ヤッサホーラエー)尾鷲よいとこ 朝日を受けて ヨーイソレ浦で五丈の 網を曳くノンノコ サーイサイ(ヤサホーラエー ヤッサホーラエー)儘(まま)
鏡を割って 福を出す杉の香りの 祝い樽お酒はおいしく 飲みたいものねめでたさみんなで 分けあえば月も大吉 月も大吉 あの笑顔笑う門には 福が来る福は笑顔に つい
茜に染まった 夕空見れば西へと流れる 浮雲ひとつ夢と添い寝の 枕が濡れるここは東京 ふるさと恋し想い出あの町… 串本おんな節水面に棹さし 愛しいひとへ漕いでも着
一生一度の 二度ない青春(はる)を賭けた舞台に 悔いはない舞うがさだめと 心に決めてかざす扇に あーあーあーいのち華やぐ いのち華やぐ 晴れ姿夜空を焦がして 篝
茜夕焼け 赤とんぼ野菊摘みする 母ひとり故郷(くに)の夜空を 染めちょる色は今日も都と おなじ月見上げて… 見上げて いるだろか庭の山椒の木鳴る鈴かけて ヨーオ
ひとり思案の おんなの宿はおもい尾をひく 浮名川夢かうつつか まぼろしか炎(も)えて身を焼く あかね雲いつわりいやいや いつわりいやいや身を焦がすネエ~ あなた