霜月はるか

護森人 – 霜月はるか

SIO SIE EN ESTIA.
(これは唯一の宿命)
ARIA ENDY ARIA, FEL WARY ARIA,
(いのちは流れ、自らいのちを還す)
SYUA FEL QURELY NOE…
(永久の恵みと引き替えに…)

聞きや 木々よ 草花よ
故き世の語り 血に伝へるARIAの音を
其は天つ光に授かりたる初声(うぶごえ)

森の深き夜の翳りに笑ひ
空の高き日の照らしに泣く

風は其の樹(こ)撫で愛づる
数多なるARIA 結びたる永久の恵み
吾(わ)は女神(はは)の見る夢 子を慰む揺り籠

されど痛みつつ道分かつ悪夢(もの)等は
あかき地 陽のさはりに
実(じつ)の心をぞ灼き尽くしける

悲しびに舞ふ枯の葉 木伝(こづた)ふ声
徒なる名告(なの)り得れば故郷忘るる

うたの失ひ鳥よ 何処(いずこ)飛ぶや
森に生まれ果つる宿命(さだめ) 捨て曝るまま

FIL NEL VEARY FAZER EN NELARIA.
(私は偽りの炎など恐れない)
RIO NEL QURELY ARIA SA NELARIA.
(誰も真実と偽りを入れ替える事はできないのだから)

護れ 風よ 雨土よ
故き世の語り 地に伝へるARIAの根を
其は天つ光に授かりたる大樹

秤拉ぐは穢れし水なり
彼のいのちに流るる二色

掻き暗らし うた止めれば
放たれし炎さはに燃え移りにけむ
吾(わ)は女神(はは)の見る夢 子を癒せる揺り籠

されば身を捧げ森のARIAとなれ
安らかに朽ち果てむ
実の心をぞ唯祈りける

ああ君と共に[このち]乾ぶとも
[このみ]灰となりて火群(ほむら)に狂ふとも

ついの別れにさける白き花に
未来を重ねよ 永久に恵みこそあれ

SIO FIE TINDHARIA.
(ここはティンダーリア)
FEL MERY TIN, SYUA ESTIA, ARY.
(私は樹を守り、宿命を遵守し、歌っている)
SIO FIE FAO ARIA HORK,ARK,MERK,FEL EN LU.
(ここは私が最期まで、いのちを創り、歌い、護る地)
SIO SIE TIND MERK FEL.
(そう、ここは私が護る森)
SIO SIE LEAS EN LU.
(これは最期の警告である)

LO WEL NEL ARY. LO WEL NEL MERY.
(歌わぬ者よ、護らぬ者よ)
LO WEL NEL ENDY. LO WEL NEL WARY.
(定めに流れぬ者よ、命を還さぬ者よ)
LO WEL NEL JERY. LO WEL HORY MAR.
(禁忌を犯す者よ、己の名を得た者よ)
LO WEL SERY SAR. LO WEL VERY SAR.
(別れに泣く者よ、そして憎む者よ)
LO WEL ORY SAR. LO WEL NEL ORY.
(自ら心をもつ者よ、女神の心を知らぬ者よ)
LEE WEL WASRY. FEL LEASRY WEL.
(おまえに警告をしよう)
LO OLI NEL ENDIA. LEE WEL RORY FIS.
(女神が定めた輪廻の理を否定する全ての者よ、何処かへ去れ)
SYUA FEL DIRY, OLI EN WEL.
(お前は居場所のみならず、存在の全てを奪われるだろう)
LEE ARY ARIA!
(さあ、いのちを歌え!)

ARIA JERY FEL.
(女神は私たちに禁じた)
LE FEL HORY MAR.
(私たちが個々の名前を得ることを)
FEL RAKY SAR TINDHARIA.
(私たちはティンダーリアの樹の為に生きている)
SIO SIE TIRA.
(それが理)
FEL MERY TINDHARIA VEIA TINDHARIA.
(私はただティンダーリアを護るためだけの存在)

ARIA FIRY FEL.
(女神は私たちに与えた)
EN ARIA SE EN TIN.
(ひとつのいのちとひとつの樹を)
FEL MIE SIN ARIA VEIA.
(私は小さきいのちにすぎない)
SIO SIE TIRA.
(それが理)
FEL SERY TINDHARIA VEIA TINDHARIA.
(ティンダーリアだけが私の唯一の心残り)

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