藤井香愛

ラストノート – 藤井香愛

ほのかにまだ部屋に残る
あなたのコロンの香り
優しく包まれて
昨夜(ゆうべ)の記憶をたぐる

好きよとその耳元ささやきながら
しがみついた胸のぬくもりは
幻じゃないね

あなたに愛されたくて待ち続けたの
神様がそんな願い 叶えてくれた

あざやかなラストノートは
二人がいたしるし

吐息と素肌をかさねて
何度も確かめあった
シーツの海のなか
綺麗なサカナになって

幸せすぎるとなぜ泣きたくなるの
昨日までのつらい片想い
まるで嘘みたい

あなたの瞳にいまは私が映る
抱きしめて もっとそばで感じていたい

愛というラストノートは
二人の始まりね

あなたが帰ったあとの残り香を抱き
理由(わけ)もなく微笑んでいる 朝陽の下で

愛というラストノートは
二人の始まりね

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