江藤天音

  • 初恋夜曲 – 江藤天音

    遠い記憶の 夏祭りの夜あなたに見せた 浴衣の金魚愛を知る少し前の 幼すぎた日々胸のときめきに 恋してた 銀色の小雨に 泣きぬれた小路をぐるぐると歩いた 初恋の終わりに 口づけも叶わず 途切れた恋でした雨粒の数だけ あなたが好きでした 遠く花火が くるりと咲いて好きと言えずに 夜空を見つめ気まぐれな占いさえ 気にしてたあの日大事な言葉は 空回り 最後に一度だけ あなたのその胸に飛び込んでみました さ…

  • 永遠のめぐり – 江藤天音

    魂の灯は雨にやどってこの大地に降りる母なる地は人を育み命が生まれてゆく 生きることは散りゆくものに想いをはせること遠い月や雲をながめて雨を恋うるのです 生きる分だけ悲しみの数背負ってゆくならば空よ永遠に生きているのはつらくはないのですか ひらりひらり舞う花びらにはなやぐ夢をみるゆらりゆらり落ちる夕日に時の足音をきく はるかはるか 時をつむいで生まれ変わるならば遠く遠くどこへ向かって命はさまようので…

  • 時空の踊り子 – 江藤天音

    漕ぎだした月の船に 飛び乗る乙女は廻りだした星の渦に 飲み込まれ踊るよ溶けだした水の中で 目覚めた地球は凍りだした赤い星を くるくると回るよ 千の星とワルツを ゆらり揺れてさまよう 駆けだした流れ星に 恋する乙女は通りすぎた時の中を くるくると独り踊る 踊る 踊る はるかな宇宙よ 叶わぬ想いよ口づけさえも ただ切ない時空の踊り子 あなたの星まで辿りつくなら 永遠に踊ろう 閉じかけた銀の夢に 微笑む…

  • 夢のつづき – 江藤天音

    強く強く生きてください あなたの時間を生きて 夜が明けるのも早くなって 陽射しが強くなっていますあなたの顔は疲れて 苛立ちが見え隠れて仕事ばかりしていたあなた 慣れない家事はつらいでしょうぎこちなく服を畳む手に ひび割れた指が見える わたしの足はもう自由になれず時に失敗を繰り返し あなたを困らせてしまう後ろめたいなんて思わないでね白い家にわたしを入れても 愛してる 強く強く生きてください わたしは…

  • SAKITAMA~幸魂~ – 江藤天音

    彷徨い (何を) 望みて (求め) 行きかう (出会い ゆきたる)雲井の (彼方) 風の (希望) 如く (遥か 澄み渡りゆく) 深山に 忍び寄る しじまを 揺るがしておぼろげに 掛かりし 霞む橋へ 誘う 玉の露 煌く 清らなる小鳥が守りゆき 瞬く 生命という燈 渇いた (静に) 鼓動よ (萌えて) 湧き出よ (伝え 流るる)聖なる (清き) 地が 息 (震え) 衝く (溢れ 染み渡りゆく) 囀り…

  • 月牙泉(げっかせん) – 江藤天音

    翠の風ゆれる 雲に似たあの国琥珀色に染まる 空に手をかざして どれくらい歩いたら 辿りつけるのだろうふり返る足あとも 笑うように風に消えて 今は届かぬ夢を追って さまようだけ未来へ流れる風の中で ゆらゆら 東の空高く 月に手をのばして砂漠の交差点 永遠に水を湛え 今日はただ明日はまた 探しつづけるだろう遠ざかる陽炎は 誘うように風にゆれて 空はあふれる光満たし 惑わすから心の磁石を感じ進め きらき…

  • ひだまりの場所 – 江藤天音

    言葉じゃうまく言えなくて 涙と一緒に飲み込んだこんなにそばにいるのにね 星よりもずっと遠かった 打ち明けてすべて失くしてしまっても 自分への嘘で泣くよりいいだろうずっとそばで逃げたくない 満ちることのない月よ そっと傷ついた心にやさしく触れ ありのままの 僕を解き放つ君はどんなずぶぬれの僕でもあのひだまりのように包んでくれる 心が叫びだしそうで 消せない願いがあふれ出す孤独な心と体は 自分で自分を…

  • 君のすべてになろう – 江藤天音

    街が目覚める 陽射しをあびて今日も一緒に 季節の匂いを探そう 君をどこでも つれてってあげる寄り添い過ごした 僕たちだけのサインがある この瞳閉じてても見えるんだ 優しさや温もりは触れた手と手に伝わってく 感じる 心の目が見つめてる 君のために僕がいる 夢のために今がある君の目になろう 君の耳になろう晴れた日も 雨の日も 風吹く日も 雪舞う日も君の心になろう 君のすべてになろう 泣きたいときでも …

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