水瀬あやこ

大阪ノスタルジー – 水瀬あやこ

歩きくたびれた パンプスで
最終便のホーム あわてて乗り込んだ
源八橋から天守閣
薄紅色に染まる 景色に会いたくて
勢いだけで飛び出した
大きな夢とカバン一つで
空回りばかりで 過ぎた年月は
いったい 何やったんやろうか
大阪の街は 優しい街やから
こんな涙さえ 分かってくれる
大阪の街は 優しい街やから
格好悪いでと 笑ってくれる
すぐにまた 東京(とかい)の波に揉まれてゆく
私の心が 消えないように

玄関先まで 小走りで
喜ぶ母の姿 無邪気で愛らしい
三つ編みを 結うてくれた頃
温かくてたまらん 両手が好きやった
強くなろうと いきがって
大切なこと 忘れていたね
ほろ苦い青春 おせっかいの意味
今なら よう分かるのに
大阪の街は 愛しい街やから
一人ぼっちには させへんといて
大阪の街は 愛しい街やから
胸を張れるまで 見捨てんといて
今度こそ やれそうな気持ちこみあげてく
見上げた青空 ふるさとの空

大阪の街は 優しい街やから
こんな涙さえ 分かってくれる
大阪の街は 優しい街やから
格好悪いでと 笑ってくれる
今度こそ やれそうな気持ちこみあげてく
見上げた青空 ふるさとの空

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