山田晃士

スザンヌ – 山田晃士

時計台 古ぼけた壁
霧雨に色づく石畳
冬の朝 散歩に出かける
人影まばらな公園

理由もないのに
心が砕けてしまいそうで
自分一人が
取り残された気がしていた

沈んだ思いは壁をつくり出す
強さも弱さも素直にさせるのは
Only your tenderness

だからスザンヌ
ハンカチをおくれ
こぼれる愛をぬぐう為
スザンヌ
少し弱気な時には
優しく包んでくれ

強がる事にも くじけた時には
一人でいたくないんだ

並木道 早起きの犬達
意味をなくした 朝の街灯
貨物線路に囲まれた
倉庫の向こう 雲がちぎれる

壊れたベンチに
もたれて缶ビールを飲み干し
ため息まじりに
作りかけの唄を口ずさむ

夢は少しずつ色を変えてゆく
祈りも憂いも穏やかにさせるのは
Only your tenderness

だからスザンヌ
ハンカチをおくれ
こぼれる愛をぬぐう為
スザンヌ
少し弱気な時には
優しく包んでくれ

自分に傷つき あてどもない時
一人じゃいられないのさ
一人でいたくないんだ
一人じゃいられないのさ

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