小林私

暮らしの用例 – 小林私

近所のスーパーまでの道の花の名前を知らない
玄関の電球がどこに繋がっているのか分からない
新しい家に射す光は見覚えがあって尚、馴染まない
包丁の切れ味は悪くて、俺はまだ何も拾い集めてない

季節の野菜が青く水を弾いてる
窓ガラスが割れて小蝿が俺を素通りする日々が

このまま明日へと歯向かう気もない
一通りの内心が蔑ろになっても最悪は構わない
ああ滅びへ向かうステップを
人通りの少ない場所を選んで君と
飽きるまで

均された温度の街で汗をかいたり震えたりと忙しない
賽の目に切られた判を押すように生きれたらとかもう考えてない

俺だけが気付いてる真実と本当の美しさや痛みの扱い方
頭のなか名をつけては刺すだけを

再生してある程度満ち足りているだけ
しとど降る雨に濡れて滑りやすくなるサンダルが崩れて
まあ、どのみち生は蜃気楼
眩しいだけの日々は遠ざかる枯れ尾花
でも近付いて

体さえ通り過ぎる明かりを消してきて
頭蓋骨の中はまだ暗いままで
人と人が交ざる道で俺は誰の目なら見れる
忌む言葉だけが浮かぶなら黙せ、ただ臆せ
巣のなかで一人で

このまま明日へ
見た通りの確信に根拠さえ生まれても最悪は仕方ない
ああ滅びへ向かうステップを
人通りの少ない場所を選んで君と
飽きるまで煌めいて

近所のスーパーまでの道の花の名前を知らない
窓ガラスは直して、それだけ。
俺はまだ何も拾い集めてない

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