堀内美和

萩の宿 – 堀内美和

裾の乱れを 手で押さえ
駆けてきました 逢いたくて
月に一度の 逢瀬ゆえ
命ときめく 身は燃える
花は紅色
胸に抱かれる 萩の宿

薄いお酒に 濃い情け
心酔わせる にくい人
すがる背中の あたたかさ
恋の涙もかわきます
花は紅色
灯影よりそう 萩の宿

夢は束の間 一夜だけ
あとは待つ身の 忍び草
肩にこぼれた 黒髪で
とけぬ縁を 結びたや
花は紅色
別れせつない 萩の宿

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淡雪 – 堀内美和

冷たい手だねと 掌(てのひら)を包むあなたの手の 温かさ好きよ私の この命みんなあげても悔いわない寄り添う肩にああふりかかる春の淡雪 恋の雪乱れるこころを押えて

きずな川 – 堀内美和

帰り支度の あなたの背中泣いてすがって 困らせた抱いて下さい も一度あなた明日に渡る橋のない添えぬ仲なら なおさらに命燃やして きずな川拗ねていたのに 今夜の私

哀愁の湖 – 堀内美和

静かに 静かに 煙る湖に悲しく 一人 想い出すあすを誓った 恋なのに帰って来てよ ねぇ あなた落ち葉漂う 山景色淋しく 淋しく 眠る湖に優しいあなたの その笑顔

蛍舟 – 堀内美和

葦の葉かげに 灯りを点すあれは潮来の 蛍舟誘い上手と 誘われ上手ふたり合わせた 命火が溶けてもつれて ゆらゆらゆれて天の 天の 天の川原の 星になる針のいらない

今更岬 – 堀内美和

髪ふり乱して 岩を打つ波は私の 心ですたとえ誰かを 泣かせてもいまさら あなたを ゆずれないここは女の つらい女の 今更岬涙も嘆きも ため息も惚れたあなたの 贈

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