五木ひろし

紅の糸 ~くれないのいと~ – 五木ひろし

また夕闇の空を
伝う流れ星
逢えないと知りながら
待つ人がいる

思いを 紡ぐ糸は
風を凌ぐ衣(きぬ)になる
戻れぬ日々ならば
涙に羽織れと

忘れてしまえるなら
どんなに楽だろう
憎んでしまえるなら
心も捨てられる

まだ乾かない傷は
じきに返り花
あふれる人の群れで
芳香(におい)をつける

願いを 繋(つな)ぐ糸は
継ぎ目ばかり増えてゆく
幾度も断ち切って
幾度も結んで

忘れてしまえるなら
泣かずにすむのに
憎んでしまえるなら
夢など見ないのに

忘れてしまえるなら
どんなに楽だろう
憎んでしまえるなら
心も捨てられる

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雑草 – 五木ひろし

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