三波春夫

長編歌謡浪曲 天竜二俣城 – 三波春夫

文亀三年即ち西暦一五〇三年の事、
二俣昌長が築城したこの城はところどころ崩れ落ちているとはいえ、
その石の色、城の型、さすが奥州二本松城につぐ
日本最古の城であると云うにふさわしく、
歴史の息吹きはそくそくとして訪れる人に何かを語りかけている。
天主閣のあった場所に立ち、西北を望めば天竜川は眼下に広々と豊かに流れ、
長がとそびえる鳥羽山、赤石山系を南北に見る。
南の山裾は浜松へ通ずる街道か。紺碧の空、白雲東方へ静かになびく風情。
時に天正七年九月一五日、徳川家康の長男岡崎三郎信康は、
父が向けた討手の使者天方山城守服部半蔵を此の池に迎えて、
自害して果てた。
天下統一の大望を持つ織田信長は、
娘の徳姫の良人である信康を殺せと家康に命じた。
時に信康年二十一歳であった。

秋の夕陽に 散る山紅葉
色もひとしお 鮮やかに
信康哀れ
流れも清き 天竜の
水の鏡に 映し出す
二俣城の影悲し

冬の夜空を 啼きながら
親を尋ねて 鳥が飛ぶ
信康哀れ
涙を抱いた 天竜の
瀬音悲しや さらさらと
二俣城を 照らす月

「その方達、おくれを取るなよ。
この信康覚悟を決めて待っていたぞ。
だが之だけは舅信長に!……
いや、お父上に伝えてくりゃれ。
三郎信康は天地の神に誓って、身にやましい事はなかったと、
最後まで真の武士であったと。……忘れるな!!」

脇差し抜いて 逆手に持って
座り直した 信康の
白装束が 痛ましや
ああ 戦国の 恐ろしさ
力と智惠に 恵まれすぎた
人間ならば 吾子でも
婿であっても憎いのか
逃げて下されお願いじゃ
必死にすがる小姓の忠鄰
かぶりを振って信康は
そなたの心は嬉しいが
逃げて何処に道がある
その道こそは死ぬ事よ
吾子を斬れと言う親が
三千世界のどこに居る
今こそは儂は父上の
深い心が読めたのだ
乱れ乱れた日の本に
永く平和を築く為
鳴かぬなら
鳴くまで待とう ほととぎす
父の辛さがしみじみと
切ない程に胸にくる
ああ 反逆児と人が言う
岡崎三朗信康の
悟る笑顔に 散る涙

三つの葉葵の 葉が香る
花の名残りの 井戸やぐら
信康哀れ
桜を浮かべ 天竜は
今日も流れる 悠々と
二俣城の 夢の跡

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