三波春夫

長編歌謡浪曲 勝海舟 – 三波春夫

江戸で生れてああ長屋で育ち
今じゃ幕府の総大将
星の流れは皮肉なものさ
月にうそぶく勝海舟の
胸にゃ真っ赤な火が燃える

時代の流れと勢いは
誰が止めても止まらない
無心に遊ぶ子供らが
手まり唄にも口ずさむ
宮さん 宮さん お馬の前で
ヒラヒラするのは何じゃいな
トコトンヤレトンヤレナ
あれは朝敵征伐せよとの
錦の御旗じゃないかいな
菊は栄えて葵は枯れる
西にひずめの音がする

「近代日本の暁を告げる刻の鐘は、
いんいんとして鳴り渡る慶応四年の春、
薩長土肥連合軍は、江戸を目指して怒涛の如く進撃を開始した。
有栖川宮を大総督と仰ぎ、全軍の指揮を取るは、
参謀筆頭薩摩の大南洲西郷隆盛。
これを迎えて江戸を守らんとする海舟、
勝麟太郎彼こそ正に真理を貫く天才的な人であった」

「なあ益満、西郷どんに逢ったら云っておくれ。
勝はホンニ臆病だからねぇ。
戦は恐がっていたよって。俺ら百五十万人の人間が住んでいる江戸が、
天子様の軍勢の為に丸焼けにされるなんて考えたら、
おちおち眠っちゃいられねえよってなア。
じゃ山岡西郷さんへの手紙はこれだ。
読んだらきっと唸るだろうさ。そこで、あんたも私も日本人、
いやさ!皆天子様の子供だと云っておやり…。
まあよろしく頼みましたよ」

軽くくだけてああ口では云うが
腹じゃ何時でも死ぬ覚悟
江戸を焼くのか花見とゆくか
そちら次第と勝海舟が
賭けた天下の大勝負
錦の旗をなびかせて
東海道をひた押しに
軍勢進める西郷の
心の動きを見つめつつ
徳川二百八十年
舞台の幕を締める役
吾身ひとつに引受けて
八百八町の誰ひとり
殺しちゃならぬ守らにゃならぬ
迎えて立った勝海舟
時は熟した慶応四年
桜ほころぶ三月半ば
青毛よ走れと一鞭当てて
手網さばきも鮮やかに
蹄の音を響かせて
パーッパカパーッパカパッパカパッパカ…
薩摩屋敷の門前に
駒を飛ばして乗りつけた

「おーい、そこの兵隊達!西郷参謀は何処に居る!
俺は海軍総裁勝麟太郎だ!」
慄然として呼ぶ声に
敵であるべき薩摩の兵士
思わず知らず捧げ銃威儀を正して迎えたり
この時西郷隆盛は
自ら門を馳け出して思わず
両手を差し延べて
「勝先生!」
「おう西郷さん!」
握る手と手に万感の
想いが籠る両雄の
瞼に浮かぶ涙こそ
あゝ幕末の動乱を 救う涙か
明治維新のあけぼのを
飾る涙か虹の色
薩摩隼人と江戸っ子が
共に語る人の為 共に語る国の為

腹が分ればああ話しは早い
渡しましたぞこの江戸を
頼みますぞこの日本を
祈る想いの勝海舟に
花の明治の夜が明ける

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