マシコタツロウ

区画整理できないマイハー – マシコタツロウ

久しぶり昼下がりの 雑多な街並み眺めて歩いていると
あの頃憧れていた カフェやマンション 高価な靴屋も
変わらずに安心したよ
あの時 あの娘 可愛く手を振った改札はない
どこにあったのかさえも分からない

ゴトゴトと電車が走るよ かかとの下で
確かこの辺り 開かずの踏切でケンカしたっけ
区画整理できない心の中
耳を澄ましたら まだ遮断機の鐘が響くようで 響くようで

このビルの二階の片隅 誰もいないバーで聴いた
ニューオーリンズのレコード
ピアノのフレーズがたまらないって
何度も何度も同じ曲をリピートした

伝説の男になるため東京に来たんだろ?
カウンター越しの言葉に奮起した

ドカドカと階段を降りれば 眩しい朝日
確かこの辺り 自転車盗られ 途方に暮れたっけ
区画整理できない心の中
耳をすましたら まだカラスの声が急かすようで 急かすようで

グルグルと地球は回るよ 誰が去っても太陽は昇る
でもね それって素敵なことじゃない?
区画整理できない心があれば
あの頃のように まだ どこだって行ける気がするんだ
気がするんだ 気がするんだ

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