軒の燕が電線停り
しだれ柳にこの身がなびく
あの日通いしニコライ堂
礼拝すれば熱き涙を神ぞ知れ
待てど暮らせど来ぬ人の
便りを待たぬ日とてなく
思い乱れてなを文を書く
路傍のマロニエ見るたび
貴方ときざみしマロニエの
恋の言葉 偲ばれて 切ない夢がこみ上げる
暮れる街並街灯ともり
帯がなるたびこの身が細る
小雪散れ散れ聖橋
流れに捨てた金のボタンに
小雪散れ
言うに言われぬこの心
溜息つかぬ夜とてなく
たもと掲げてなを涙する
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ユラユラ ゆらめく ギュルギュル まわる遊びはじめる 指先の天体つまさきだちする 手のひらの引力巻きつく科学 地軸のダンス 回転の奇術ユラユラ ゆらめく ギュル
ギリギリ ギリギリ 廻る齒車バチバチ バチバチ 飛び散る火花ビユンビユン ビユンビユン 跳ねるスプリムグ關節が曲がつて行く フオルムが廻り出す踊り出す動力の姫
廻り續ける齒車を 見てゐやう流れ續けるベルトコムベヤを 見てゐやう送り出される製品を 見てゐやうPROCESS PROCESS PROCESS…噴き上げる蒸氣流
二人並んで自転車に乗ればこもれびを浴びてスポオク光るハンドルさばきも巧みなものさ木立を縫って山道行けばネツカチイフをそよ風揺らす歌を唄えば朗らかに君はあの歌 僕
氷(かうり)の祭典(さひてん) スケエテヰングリンク銀盤の上を 少女達(しやうじよたち)が滑る樂士(ぐわくし)の奏でる 胸高(むねたくわ)なるメロデイ美しひ骨格
私は彷徨(さまや)ふ トランク一杯思ひ出詰めて東京(とうけう)の出會(であ)ひ タンゴ奏(くわな)でるダンスホオルでヒイル脱ぎ捨て 夜が明けるまで踊つたものね別
時の無ひ ソワレ言葉の無ひ スクリプト問ひかける タンゴの音色遠き(たう)日々の メモワアル涙ぐんでもフロアに砕けた ワイングラス僕たちは、、、
「ベムト開け、急速潛航深度二十米(メエトル)!レエダアが目標(もくひやふ)を發見(はつけん)シマシタツ!方位角右(ほうゐくわくみぎ)八十度、距離八百六十米(メエ
築かふ明日を 燒け跡に都市計畫(としけいくわく)で 夢の町着々出來る ビルデイングぐんぐん伸びる アスフアルト素敵な君は 八頭身(はつたうしん)肩(くわた)の張
雪と溶かす熱氣 白ひ息荒(ゐきあら)くカンテラを燈して 日夜續(つゞ)く作業(さげう)弛みなく響く ポムプの謳歌(あふくわ)よ地底(ちてひ)に眠る 無盡藏(むじ
ワインを詰めた水筒(すひたふ)とリユツクサツクにチイズ入れ今日(けふ)は日曜(にちやふ) 山歩き最新型(さひしんぐわた)の ケヘブルカア登つて行くよ 降りてくる
夕映(ゆふば)へは 大廣閒に長(なぐわ)き影(くわげ)落とす日夜明け暮れた舞踏會(ぶたうくわい)貴婦人の微笑み シヤンパンの雨時は經ち 全ては繪空事(えそらごと
思いおこせば夢の端々喜び 悲しみ 幾星霜幸多かれと 見かわす瞳いっときの別れに涙がおつるあおき子よ 小手をかかげて白きハンケチふりたまへ今日この場所 さようなら