なとり

夜の歯車 – なとり

幼い頃に見た、夢の話をしようか
触れた指先に残る、ムスクの香り
覚えてもいないこと、忘れてしまったみたいに
ありふれた日々だと、おどけて笑ったみたいに

そばにきて、あなたのための歌を歌おう
時が経ち、ふたりの影も小さくなった

見つめる瞳は、僕を見つめ返すように
今もささやかに、広がり続ける宇宙のように
忘れたくないこと、忘れてしまいたいこと
ありふれた日々でも
あなたを見つめてしまえば

優しさは、時に切なく心を痛めて
それでいて、柔らかなままでいるから

ひどい夢でも、痛みのなかも
あなたとなら、歩いていたいと

そばにきて、あなたのために歌を歌うから
そばにいて、あなたのための歌を聞いて
そばにきて、あなたの歌と夜が眠るまで
時が経ち、ふたりの影も小さくなる
何度でも、僕と同じ朝を生きよう
生きよう、生きよう

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