きゃない
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愛の言葉 – きゃない
冷えた僕の手が君に触れた ただそれだけで悩んでいたこれからの事もうどうでも良くなってここ二、三日は何をすれば君と僕が顔をしわくちゃにして笑い合えるのか考えているんです 愛の言葉で作った自転車に君を乗せて当たり前を越えてゆくよ過去の諸々は捨て去って世界中誰も知らない二人の言葉握りしめて双子座の夢の中で いつまでも 使い古した愛の言葉でも 昨日を超えるからきっとまた明日も二人で 笑っていけそうです い…
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コインランドリー – きゃない
もう一日が終わる多分似たような明日だ終わり方を気にするつまらない生物どうしても後悔は残ることを知ったよ一番の宝物は「今更」だったんだ 縄でつながれ歩かされて知らぬ間に大人にされた自由の海で探したものは縄だった 回る暮らしの中で無くした物ってなんだっけ?取り憑かれるようにして僕は今もここにいるよ信号が赤に変わって昨日と同じ顔になった帰りたい場所は全て過去に在るのかな 前向きな後ろ向きはどう進めばいい…
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花火 – きゃない
この街はどこか寂しくて欠けたような気になる懐かしい匂いに惑わされ間違えた恋もある 「何でもない日が続けばいいのよ」りんご飴舐めながら君は言った 花火が上がった嘘みたいに消える花びら煙をかき消すようにまた次の火種が燃える僕は少しだけ悲しくて喜べなくてまるで傷も痛みも無かったように咲くから 昔の無邪気さはもう無くて汚れた右手を見る変わってしまったのは僕だった感情を無くしていく 君ならどうやって誤魔化す…
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紫陽花 – きゃない
雨降り街は鬱 傘の中に広がる海陽が照らせば街は紫色 花も咲くよ今年の六月は 思ったより悪くはなかったわ新しい収穫も 腐った実にも気付けたから 咲いた花が枯れても恋は移ろう飽きられるようなあなたが悪いのよ紫陽花の蕾に水をやりながら枯れた花を思い出す 自惚れたらいいよ 夏を知らずに死んだ桜理由もわからないよね 思い通りで楽しかったわ 咲いた花が枯れても恋は移ろう暮らしに甘えた私は過去よ紫陽花の花に水を…
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夕暮れ – きゃない
茜に染まる街を抜け地下鉄に乗り込んだなら少しはマシになるはずさ騒ぐ胸も焦る足も 聞いた話じゃ趣味の悪いあの人と付き合っただとかどこまでいっただとか聞きたくもないのに痛がる胸考えたくもないのに 夕暮れが僕を照らす薄れてた君に色がつく前に逃げようが隠れようが君の残り火を消せずにいるよ 「君が笑ってくれるなら」なんて思ってた愚かな恋汚れた君の沼の中に溺れたまま抜け出せない 愛する魔法を忘れたらちゃちな世…
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バニラ – きゃない
あぁ 君の事愛してる 心からいつでもどこでも君を思うだろう描いていた理想じゃなくありふれた言葉や暮らしで二人は笑い合えた 傷付けて ほどけそうでそれでも今も君は僕のそばに居てくれる あぁ 君の事愛してる 全てを遠くで近くで混ざり合いたい生まれてきた意味はもう君なんだよ一人で二人で感じ合いたい 居心地の良い嘘だらけの世界に笑ってサヨナラを言えたらいいな あぁ 君の事愛してる 全てを遠くで近くで混ざり…
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イヌ – きゃない
改札の前でちょっと寂しげな人飼い主を待つ犬みたい ソワソワしてる あなたもそうよねきっと悪気はないでしょう優しくなる事に造作無くて溺れてしまったのよ 他の誰かと寝ても暖かいけど気持ちよくは無かったわ今年も蝉が鳴いて二人でいた頃が淡くなる いつかは私も悪気無いなんて言うのかな?人恋しい だけどあなた以外くだらない人(もの)ばかり 壊れた人間が今、よそ見して人通りを彷徨う今年も蝉が死んで二人でいた頃が…