さのめいみ。
-
Water – さのめいみ。
丸い水槽 遠く透かした青空白く塗り重ねた雲を飛行機が結んでいる赤い金魚が僕の耳元で囁いた「いつまで寝ぼけているの早く目覚めておいで」 寄りかかった白い壁が僕のせいで黒い影を落として「ごめんね」って泣いたって誰も許しちゃくれない 深い深い青に染めた指先が輪郭をなぞったんだほら今水は銀色に跳ねて淡い淡い青の中で世界が今僕をなぞったほらねぇ会いに行くよ 水浸しの僕しかいないこの空間白い床は一面空を映して…
-
ノクターン – さのめいみ。
遠い街のビルの灯りまた一つ雨に滲む指先でなぞれば形を無くしていく真夜中遠ざかるサイレン、冷たい窓越し、眺めた 薄明かりの中で君に抱きしめられた瞬間ぽっかり空いていた穴が埋められていく気がした本当は君の形にまた穴が空いただけだった 知らない誰かの命が思ったより遠い証拠に朝のニュース速報を胃に流し込んで生きてる 愛せないほど変わっていく人のことを愛したいと願う、こんな僕を笑わないでおくれ。 朝になれば…
-
クリームソーダ – さのめいみ。
さっき僕らの上をISSが通過した今も誰かの上を飛んでる今頃君はきっとご褒美のクリームソーダ……のさくらんぼとにらめっこをしている 大切なものをいつも後回しにしてきたんだ自業自得だろ誰かに取られたって緑色3号が僕の身体を蝕んだとしても今じゃない、今じゃない。 解明したいよ君のこと透き通った身体最低ラインの人生も君は笑ってくれる解明したいよ君のこと透き通った心月や火星やUFOも君は笑い飛ばせる 遠い宇…
-
squall – さのめいみ。
真夜中のスコール 雨を引き連れて君の寝顔を眺めてベッドに腰掛けてる カーテンの隙間 零れる常夜灯照らされたつま先だけが僕の容を保ってる 誰一人分からない僕という秘密を君だけに教えよう この手を取るのなら花束が萎れてく束の間の寂しさをすぐ忘れるみたいに些細なこと ただ愛している 寂しいと言えずにいる今だけは何も聞かないで 夜が綺麗だ まだ胸に残る微かな傷跡に気付いても知らないフリで 心も愛してほしい…
-
カタコト – さのめいみ。
今日は新月の夜だから暗闇に二人隠れていよう目に見えることなんて重要じゃないその手で触れて見つけて 灯りはつけないままでいてほら恐れずに触れて欲しい 愛が何なのかは暗がりの中に隠してあるから 見えなくたって息遣い聞いて聞こえなくたって体温を感じる緊張で強ばる身体、カタコトの愛をその唇で紡いでくれ 嘘でいいんだ、下手でいいんだ今だけでいいからこの身体深く刻まれた傷を優しくなぞって塞いでくれどうかひとり…
-
ラストノート – さのめいみ。
「会いたい」なんて言われたって私にも都合があってあなたの事だからどうせ大した理由もないでしょうけど「冷たいな」って言われたってあなただって同罪です私のことなんか都合のいい時にしか呼ばないくせに 口付け一つ合図にあなたと恋を始める準備は出来てた「愛してる」の一言それだけ欲しかった さよならの後に残るあなたのラストノート46℃のシャワーで流そう心臓までこびりついて欲しくて全部飲み込んだあなたの言葉と、…
-
ライト – さのめいみ。
よく見えるよ 僕のこの目はもう暗闇には慣れていて深い深い夜の中も よく見えるんだ君はとても優しいから あまりにも眩しいんだ夜も昼に変わるくらい 強く光るんだ 近すぎればこの目はもう 何も見えなくなってしまう変わるのが怖いんだ だから 少しさよならしよう。 どうか、僕のこと忘れないでいて。君のこと覚えているから。暗闇の奥底の僕の真ん中で 君のこと、それだけが光になるんだいけないよなぁ、このままじゃ。…
-
日々 – さのめいみ。
繰り返し何度も思いますが続いていく日々が一番難しくて大切で、何より愛おしくて、これ以上はきっとないのです。 繰り返し何度も朝が来てもそのどれもが全て違ってたでしょう雨の日、晴れの日、風の日、一人の日、眠れずに迎えてしまった日 今あげられる愛はすべてあなたに。ただ隣で笑う時間を守りたくて。 日々は繰り返し奇跡などひとつもないけれどあなたと生きることは幸せと呼ぶのでしょう幸せになるのでしょう 届いてく…
-
約束 – さのめいみ。
いつからだろう 違うことを恐れて 臆病になりすぎて変わっていく 自分の心のこと 隠そうとしていた ただ ずっと一人 黙って眠ったフリで現実に目を背けて 心に目を背けて背中を丸めたまま 胸も張れないまま全てを恐れながら 自分を殺すくらいなら 書き直して やり直して 人と違う自分になっても感情のままに 描いて行け 僕のままどこまで届くのだろういつかあなたまで聴こえるように ずっと遠くへ響き渡るようにこ…
-
タイムマシン – さのめいみ。
巻き戻せる様な時間があるなら君はいつを願うかな君のことだから、笑って「今が一番だ」って言ってくれるかな 君が笑う、隣にいる、それだけのために僕はタイムマシンが戻した過去からきっと同じ今を目指すのだろう 巻き戻さないでと叫びたくなるほど消したい過去もあるけどそのひとつひとつが君との未来を繋ぐ糸だから 君が笑う、隣にいる、それだけのために僕はタイムマシンが戻した過去からきっと同じ今を目指すのだろう 君…