3月2日、晴れ。
お別れを彩るチャイムの音数えて
まだ咲く事も無い桜の下、夢から覚めずにいたかった。
戸惑いや高鳴りと君に逢った4月。
くれた言葉あたたかくて独り泣いた5月。
6月の雨の様に増すばかりの想い。
笑い合えた7 月と消えぬ線香花火。
桜色に染まる君の未来
いつまでも笑顔でいられますように。
「さよなら」さえ言えぬ弱い僕だけど
好きでした。
好きでした、ずっと。
ごめんね、今も変えられない。
お別れの時間は近付いてく。
花道踏み締める姿が遠ざかって行く度
旅立ちが永遠の別れと思えた。
初めて見るその涙と時が揺れた8月。
傷を付けた事にさえも目を背けた9月。
10月の夕暮れ時、抱え切れない想い。
11月、書いた手紙。告げた言葉は今も…
涙色で滲む僕の絵には下書きのままの桜が立ってる。
叶わない事など解っていたけど
桜色、君の笑顔で染められた絵を見てみたかった。
旅の香りくれた君に前を向けた12月。
飾りもせず話す今を消せずにいた1月。
2月となり、最後の日を覚悟はしていたのに。
「ありがとう」さえ伝えられない。離れるのが怖くて。
桜色に染まる君の為に
僕だけは笑顔で見送らなくちゃね。
「さよなら」さえ言えぬ弱い僕だけど
好きだから。
好きだから、ずっと。
3月2日、晴れ。
お別れのチャイム。
忘れない。
忘れない、ずっと。
手を振る君へ
「卒業おめでとう」
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