七月の風は人見知りしない
車の窓から手を伸ばして握手をする
思い悩みは綺麗さっぱり捨ててしまいたい
嫌味を言うほど人生は長くはない
優しい奴と強い奴は 決して決して矛盾しない
そんな事より海が見えたよ 夏が終わってしまう前に
永遠に続ような夜を見たのか 繰り返す波に途方に暮れたのか
君が見るもの全ての傍らに 悲しいと美しいが佇んで
泣かせた夜を恨んだとて 躓いた小石を罵るとて
自分自身はどうか憎まないで だって君はまだ夏を知らない
たった七つしか
辛いことは全部話して
なんて言われても気恥ずかしいから口ごもった
日焼けの跡は誇らしげに何かの証
だけど冬には消えてしまうこと僕は知ってる
正直者と利口な奴は 決して決して矛盾しない
そんな事より明日どこに行く 夏が終わってしまう前に
星座の明かりに孤独を見たのか ヒグラシの死骸に命を見たのか
君が見るもの全ての傍らに 儚いと永遠が佇んで
下らない嘘に騙されたとて 薄汚れた欺瞞に憤るとて
自分自身にどうか失望しないで だって君はまだ夏を知らない
たった七つしか
掌の上の小さいスノードーム 僕から見れば 君の世界は
だけどそこには僕が知らない 透明で泥だらけな季節がある
教えてくれよ 綺麗なもの 木の根に埋めた宝物とか
恐ろしい事 恥ずかしい事 僕がとっくに忘れたこと
君の横顔に過去を見たのだ その痛みには身に覚えがあるのだ
君のその全ての一挙手一投足に 思い出と未来が同居して
君の真夏の出演者になって 世界の景色が変わる海辺
季節が留まり永遠ならいいな だって僕はまだ夏を知らない
たった七つしか
僕は君との夏を知らない
たった七つしか
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