あの人は誰？
しなやかでメロウ
私にないものがあるわ
カラフルなメイク
あふれ出すセンス
あの日憧れたもの全てを
最初から持って生まれた人
何一つ持ってない私
どれか一つくれませんか
月明かりが霞む
あの人の幻が揺れる夜
鏡に映る私は
誰になりたくてここまできたの？
つまらない
今すぐ降り注ぐ視線をくれませんか
噂すら心地よくて
私じゃない誰かになりたいの
妬ましい
すぐれたいの
なぜかしら今日は
褒め言葉さえ
上辺の嘘に聞こえるわ
別にそこまで
美人ではないし
上手く生きてるだけの私は
きっとそうよ流し流され
適当にくたばるのでしょう
あの人もまた同じように
比べられるばかり
誰よりもすぐれた人になれば
全てが満たされるのか
私じゃない誰かになり果てて
終わらない夜は続く
抜け出そうと思えば
いつでも抜け出せたけど
もがくことを選んだ
私が私であることを許してくれる場所
都会に降る雨は夢も流す
嘘つきばかり輝く
かじかんだ手には今何がある
ああ揺らいで
流される私は
冷たくて重たい雨の中で
手を伸ばしたその先に
誰でもない私を見つけるの
さあご覧よ
夜は更ける
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