高田恭子

あじさいいろの日々 – 高田恭子

六月の女は 紫陽花みたい
すぎた春の日々をたどる
こころはなないろ

きらめく夏のための 木綿のドレス
縫う手やすめ 曇る窓に
けむる街をみる

そうよあの時もこんな雨だった
レインコートのあの男は
傘の波にきえたわ
六月の女は紫陽花みたい
気をしずめて午后のお茶を
ひとりのみましょう

フランス映画のポスターみたいな
はげしく燃える あんな恋を
もういちどしてみたい

やがて夏になれば いい日もくるわ
夢をみれば午后のお茶も
にがくはないのよ

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みんな夢の中 – 高田恭子

恋はみじかい 夢のようなものだけど女心は 夢を見るのが好きなの夢のくちづけ 夢の涙喜びも悲しみも みんな夢の中やさしい言葉で 夢がはじまったのねいとしい人を 夢

貴方の暗い情熱 – 高田恭子

貴方がそんなに したうほど私は素敵な 女じゃないわわがままいわずに その腕をほどいて私を 自由にしてねきっと来るわよ 年上の女を愛する むなしさがどんなに暗い 

河を野菊が – 高田恭子

河を野菊の花が流れて行くわさみしい時の涙のように私の好きな男の人は幸せ求めて旅に出たのよ忘れはしない私の胸はたったひとつのやさしい言葉『愛』『愛』あなたの愛を河

哀しい花びら – 高田恭子

初めて知った恋じゃないけれど愛しすぎたの忘れられないあんなにあんなに激しく抱かれて心もからだも枯れ葉のようねああ 肌をすぎて行くああ 恋の通り雨倖せすぎた 夜が

恋ばなし – 高田恭子

ひとつ教えて 進んぜましょう昔愛した 人の事紙のこよりを 器用につくり私の小指に 二重巻き丁度丁度あの日も みぞれ雨ふたつ教えて 進んぜましょう昔愛した 人の事

女はかわる – 高田恭子

私が十九の時だったのよさみしさだけで 人を愛して心に傷が ついたのはルージュをかえたら涙が 涙が こぼれたわ私が二十の時だったのよはじめてあなたの 胸に抱かれて

愛はまぼろしか – 高田恭子

真昼に さめたままみた夢か胸をくだくように抱いたあなたは つむじ風のようにいまでも 忘れきれないあなた二度とふりむかずに消えたあなたは 二度とかえらない愛してい

すてました – 高田恭子

悪い人か いい人なのかわたしが一番 知ってたくせにかばいきれず 噂に負けてわたしがあの人 棄てました煙草 お酒 トランプなにがいまでは 似合うのかしら人の流れに

あたりまえのことだけど – 高田恭子

あなたと私が別れる時はきっと私は泣くのでしょうねあたりまえの ことだけど泣いて泣いて 泣いて泣いてその後で ほかの誰かを ほかの誰かを愛して愛して みるわあなた

気になる人 – 高田恭子

昨日まで昨日までなんでもなかったあの人が今夜は何故かとても気になる好きだとはまだいえないまだ恋じゃないだけど今夜のあの人はとてもとても気になる人あの人のあの人の

くちづけからもう一度 – 高田恭子

悲しい時はじっと目をとじてこころをかくすあなたがつらいなにもかも打ち明けあって二人で泣いた あの頃のこと思い出してね 月の光の中ではじめから出なおしたいのくちづ

恋の灯り – 高田恭子

はかない恋とひとはいうけどくらいさびしい夜から夜へどうしてひとりで生きてゆく恋がなけりゃ夜は闇よそっと そっと消さないでおこう胸にともった恋の灯り恋がなけりゃ夜

驟雨 – 高田恭子

一度 無理にも忘れてみたけど今もあなたはせつない思い出はじめから幸せはあきらめて愛したあなたは二人と逢えない人ですもの遠くなるほど 心ひとすじ燃えてゆける 恋も

ゴンドラまかせ – 高田恭子

ゴンドラ ゴンドラ波にまかせてゆれてながれる 女心青い空に なげたくちづけ恋のゆくえは ゴンドラまかせゆらゆららららああ いい気持ちゆらゆらららららゴンドラまか

私に何が出来るでしょう – 高田恭子

私に何が出来るでしょう愛するどころか 愛される力を養う ひまもなくあなたに心を 盗まれた歩く為には 杖がいるからだ支える 杖がいる自分ひとりで 足ばやに先へ先へ

平戸の詩 – 高田恭子

オランダ塀の 雨に咲く平戸つつじは ジャガタラさんの故郷へ祈りの 押し花便り海の向うの 異国の浜に泣いて涙の 墨で書く海は荒波 根獅子の浜で沖を眺めりゃ 南蛮船

夜はブルース – 高田恭子

どんな女に見えたのかしらあなたも私を捨てたまごころなんて哀れなものね何になるのよどうせまた誰かを酔わせている頃ね人にも云えずに泣いてみた夜はブルース愛したなんて

夜のひき潮 – 高田恭子

夜のなぎさをゆけば甘いあなたの声が聞こえてくるのよ波の中から今もそうだわ ここだわ 小舟の陰であなたに抱かれて目を閉じたのよ二人愛した夏は夜のひき潮みたい私だけ

沙羅の花 – 高田恭子

思いあまって泣きたい時も耐えるしかない夜の片隅愛ひとすじに生きてゆきたい女の夢は沙羅の花びらめぐり逢いたいしあわせ遠く嘆きばかりの多い細道死にも出来ずに歩いてゆ

そよ風にのって – 高田恭子

花嫁色した 私の恋はあなたに向って 走っているの春には色づく 若葉のように二人は自然に 結ばれるのよ青空いっぱい 幸せだからくちびるいっぱい 幸せだからウン花嫁

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